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僕は特急呪物日記8日目

以前にライブハウスで働いてました。

任された業務は大きく2つ。
受付とバーカウンター。
最初に言うと僕は本当に仕事ができない。

『受付のお話』
業務内容
・入場するお客さんにお金を貰う
・再入場する人の為に「もうお金貰いましたよ」って分かるようにスタンプを押す

この2つができたら問題ないです。

・入場するお客さんにお金を貰う
これが本当にできない。
2600円の入場料に対して3000円もらう
これは400円のお釣り。すぐ分かる。

2600円の入場料に対して3600円もらう。
これもすぐ分かる。分かりやすい。ありがとうね。

2600円の入場料に対して4000円もらう。
少し焦りつつできる。

2600円の入場料に対して5000円もらう。
パニックの始まり。

2人のお客さん
2600円の入場料を1度に払う。
1万円をもらう。
崩壊の始まり。

受付は3回ほどやって全て失敗。
最後の精算の時に来場者数に対してお金が少ないと毎回なりました。
1回目はハハハと許してもらって2回目からは申し訳なさ過ぎて死んでやろうかと思いました。
その時はちゃんと注意しても後々には皆の前では笑い話として話してくれたオーナーの方には頭が上がらない。
しかし寧ろその優しさが苦しくなりました。

そんな訳で「計算ができません。」と言い、受付から外してもらいました。

「バーカウンターのお話」
業務内容
・お酒を作る

・お酒を作る
これが本当にできない。
お酒と言ってもビールとハイボールしか分からないので30種類のお酒の作り方を覚えることからスタート。
と言っても、バーカウンターを任されることは当日に知ったのでレシピを見ながらの仕事。
お酒の作り方を知らないと言うとサポートしてくれる先輩がいるから大丈夫との事。
先輩も笑顔で任せろと言ってくれたので一安心。

この日は朝8時から夜12時までのシフト。

なんだかんだ14時間もお酒を作れば覚えられるだろうと思っていました。

朝9時。
お客さんがライブハウスに入り、飲み物の注文が始まる。
1人目。マリブコーク。
なんそれ。

1人目でもうパニック状態に陥り、レシピもちゃんと見れないほど視界が歪みました。

グダグダしてると横でサポートしてくれる先輩が代わりに作ってくれました。
ありがとうございます。

先輩が口を開く。
「なんでそんな事もできないのか俺には分からんw」

ありがとうございません。

申し訳ないと思いつつ、心から申し訳ないと思えない時の感情ほど扱い辛いものはありません。

2人目。ビール
ありがとうございます。

これはちゃんとできます。
一安心。

先輩が口を開く
「不味そうw俺は飲みたくないwてか返金してもらうw」

帰りたい。

でも、ここまではまだ良かったです。

朝10時を過ぎると「w」が付かずに基本ずっと怒られてました。
14時間怒られたりピリピリした空気が漂ってました。

お昼の12時になり休憩。
先輩にラーメンに誘われ一緒に行くことに。
道中は基本謝ってました。

ラーメンが席に届き、せめて空気だけでも明るくしようと
「美味しそうですね〜!!」
というと
一旦無視され、その後に
「なんでライブハウスで働いてんの?辞めた方が良いよ。俺も迷惑に思ってるし皆の迷惑にもなって邪魔だから。」
と一言。

もう飛ぼう。仕事を飛ぼう。
もう飛びたい。もう飛ぶ。仕事を飛ぶ。
飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。

そっから仕事が終わるまでずっとこれでした。

ちなみにラーメンは3軒連れて行ってもらい全て各々で払いました。

1件目でお腹いっぱいと思いつつ空気的に断れず着いて行ったんですが3軒がデフォルトて胃が怪物すぎる。

次行くラーメン屋さんの話をしているときは怒られないので良かったんですが会話として質問すると「そんぐらい調べたら?w」と言われ苦しい気持ちに。

そんなこんなで仕事が終わるまで怒られまくりでした。

そして頭の中は
飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。

こればかり。

そして本当に飛んだわけですが本当に飛んで良かったです。

ただ、オーナーさんは本当に良い人でずっと自分のことを気にかけてくれたり冗談を言って笑わしてくれたり、皆に自分のことを話して場に馴染みやすくしてくれたりと感謝が沢山です。
だからこそ飛んだことに関しては申し訳ないです。

でも飛ばなかったら精神が病んでたと思います。
逃げたらダメとか何故か思ってしまうことってあると思うんですが、自分がそこまで苦しむことを無理にやる必要はないと思います。

ただ、大前提として自分の経験が無かったり、仕事の覚えが悪いことが原因で起きたことです。
なのでいわば逆ギレして辞めたわけです。
先輩が全て悪いわけではないです。

そして飛んだ後にオーナーさんと話す機会があったんですが、自分が飛んだ件で1度話し合いになり、先輩は自分以外の従業員にもなかなか当たりが強かったらしくそれが問題視されクビになったらしいです。
そして事情は違いますがオーナーさんも仕事を辞めました。

そんなこんなで自分に絡んだ人は全員辞めました。
僕は特急呪物。

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