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田舎の病院事情

私の住んでる町は、小さなスーパーが1件、片道車で10分も行かねばいけない。お店は何もない。大きな川が町を横断するように流れている。のどかな、そして過疎の町だ。

そんな中で、自分に合う病院を探し当てるまで、けっこうな時間がかかった。隣町の総合病院内の精神科は1か月待ち。

10年以上のかかりつけ医は、隣県の開放病棟の病院だった。

私の弟も実は、中学2年生でいじめがきっかけで統合失調症になっている。そのとき、病院さがしに失敗し、とんでもない精神科へ入院させてしまい、より症状が悪化。結局、ご近所の隣県から嫁いで来られてた奥さんに、「ここはいいよ」とすすめられたのが、M病院だった。

他府県でも、遠くても、毎日の生活。しかも弟は子どもだった。しかも、西日本で唯一の開放病棟で先生も看護師さんたちも皆いい人ばからだったので、すぐ転院。

長らくの入院となった。(現在は、事情により県内の閉鎖病棟に入院中)

そんなご縁で、再発する前は、私も10年ほど、そのM病院に遠いけど通っていた。車で運転、高速道路使って。今思うとすごい。


再発したとき、近くに行ける病院がなくて困った。頭は、ぴーひゃららで、身体は重くて動かない。陽性症状も尽き果て、陰性へ突入しかけていたとき、眠れないから、以前の病院でもらっていたリスパダールと眠剤を飲んだのだ。すると、正気に戻ってきて、「病院にいかないといけない」って気持ちになった。

家族は、運転できない母、私とは関わりたくない弟2などの理由で、何でも自力でやるしかない私。

隣町まで、陽性症状の残ったまま自力で運転して行った。

「神様の声が聞こえるんです」と恐々先生に伝えると、「このままでもいいと思っておいて下さいね。」と言われ、リスパダールとレンドルミンとなぜか漢方薬をもらった。

漢方薬は、以前もらっていた、ソラナックスの変わりなんだろうが、これがまた効かないうえに薬価が高かった。後になって思ったが、内科・漢方内科もやってる病院で精神病患者を診るのは無理があったなあと。

精神科でもないのに、診て頂いたのはありがたかったが、薬の効かないしんどさが勝って、また別の隣町の心療科・精神科へ転院した。

ここの病院は、総合病院で3年ほど勤務、患者を増やして開院した先生だった。心療内科とはうたわず「心療科・精神科」とうたってある。

初診は、30分話を聞いくれた。でもその後は、目も合わせず、3分の診察。1か月1回の通院。

精神病後うつになって「死んでしまいたいです」と言ったとき、「薬だしときますから。はい。お帰りください。」となぜかすごい剣幕で突き放されてしまった。それでも、病院がないからそこへ行くしかない。

しんどいので、自力で行くには近くしか無理だったのだ。我慢して通ったが、いいことは一つもなかった。自立支援医療の紹介さえしてもらえてはいなかったのだ。しかし、ここは田舎。病院がないので、院内に患者はいっぱい。医者も、看護師も横柄で、冷たくてもみな薬は必要。

訪問看護してる友達にも、聞いてはみたが、「このへんではいい病院探すのは無理やなあ・・・」との返事に絶望した。

そんなこんなで3か月がたったころ、投薬によるアカシジアがおこったのだ。これがきっかけで、また転院することとなった。

ネットで探しに探し、車で35分ほど。より田舎へは行くが、もうここしかない。本当に「紹介状」のいらない病院なんてないのだ。奇跡に近い。

頭がはっきりしないので、何度も電話をかけ「紹介状はいりますか?」と尋ね迷惑をかけた。でも、受付の人も、初診時の先生も優しかった。

「すぐに自立支援医療の手続きをしましょう」と言って、説明してくれたし、「回復状態によっては、障がい者年金の手続きもあるから心配しないでいい」とも言って安心させてくてた。

アカシジアのイライラと、自力で行けるか心配だったこともあり、2度も下見しに行った。しんどい自分には、片道35分はギリギリのラインだった。

ちょうど、1年前の1月だった。

転院して良かった。週2回の診察。脳波での検査。ストレスマックスになったら、公認心理士さんのカウンセリング。外観は、ど田舎の診療所なのだが、予約制にもしてくれていて、たいへん助かる。

しんどい中辛かったが、病院を探して良かったと今は思える。あきらめなくて本当に良かった。



最後までお読み頂きありがとうございました。



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