入院費の支払いと弟1の話
私は3人兄弟の長女である。
弟1とは、すぐ下の長男のこと。その下に弟2、次男がいる。
私が中学2年、弟1は中学1年生のとき、統合失調症を発症した。
原因は、部活の同級生たちによるいじめだった。
いじめられていた子をかばったら、自分がいじめられるようになる、というよくあるパターンだった。結果、不登校になり、ストレスに耐えかね統合失調症を発症した。本当にかわいそうだった。
子ども時代や、当時のことを振り返ると、楽しい思い出が一つもない。
私自身も、いじめはなかったが、小学生時代は同じ村の上級生に気を遣い、家では、アルコール中毒寸前の父親に怯えて暮らしていた。
弟は、私よりももっともっと繊細だった。だから、毎日気の休まる日もなく、心休まる場所もなかったに違いない。
入退院の繰り返しで、青春時代も病院の中。今は、随分具合が悪くなって、閉鎖病棟に入院している。
今日は、入院費を郵便局から送金しに行ってきた。入院先の病院までは、片道50分もかかる。
コロナで、面会もできないので、郵便局から書留で送金している。
コロナ前は、月に1回、入院費の支払いと面会に行っていた。
健康な期間より、病んでいる年月のほうが長いなんてなあ。弟1は、もう中年。おじさんになってしまった。
その間、私も同様に統合失調症を発症してしまった。遺伝という体質なのか、悲しい現実。
病人が病人を見舞うんだから、変な感じ。でも、弟1には、私しかいない。
どうしても生きておかねばならない理由は、弟1のため。
母が亡くなったら、弟のことは誰がやる。
私しかいない。
入院費の支払い、洋服などの入れ替え、面会など。入院はさせていても、家族がやらなければならないことはいろいろある。
弟が、内科疾患を罹って、他病院へ入院なんてことになったら付き添いだっているだろう。
だから、私は元気にならなければいけない。
1日でも長く、弟より長生きしなければならない。
どうしているか、気になるので、おいしいものでも持って面会に行ってやりたい。
ああ、
早く、寛解したいなあ。
ああ、
早くコロナも終息してほしいなあ。
早くあったかい春になったらいいのになあ。
と思う今日この頃。
最後までお読みいただいてありがとうございます。
りんご
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