冬の日に咲いた草の花

冬の気紛れで
ちょっとあったかい
まだ冬の午後

待ち切れなかった
草の花が白い顔を出し
嬉しそうに、こんにちは
冬の日差しと風に向かって
にこにこ、笑い掛けている

焦ったのは、風
きみ、きみ、まだ早いよ
まだ冬なんだから

えっ、うっそーっ。
でも一度咲いた花は
もう何処にも帰れない

観念した草の花は
風に笑い返した

わたしは今日と今を
わたしの春だと思おう
そして今を
精一杯に咲こう

だから風さん
今夜
凍り付くよな寒さに震え
明日の朝
わたしが散っていても

あなたは
見ない振りをしていて下さい
それじゃまた
いつかの春、お会いしましょう

あたたかな冬の午後
そそっかしい
白い草の花が咲きました

日差しに照らされ
風に吹かれ
そしてにこにこ
にこにこ、笑っていた

春の日を夢見るように
笑っていました