(詩)あの夏の日は

あの夏は
あの夏の日は何処へ行ったのと
きみは言うけど
あの夏なんて
もう何処にもないんだよ
時は一瞬にして消滅し
人は老いてゆくばかり
そしてやがて人もまた消え去るのみ
愚かに愚かな人間たちだけが
今日もお祭り騒ぎで
ひと時の欲望を貪っているだけ
あの夏は
あの夏の日は
緑と風の彼方
ほら今きみの瞳に映っている
あの青い空と
きみの涙の中に眠っている
そっと眠っているから
ただじっと抱きしめていよう
ただじっと
きみのそしてかなしみが終わるまで

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