(詩)初蝉

いつのまにか夏祭り
いつのまにか夏まっ盛り
今年もうっかり
初蝉に気付き忘れた

今年もやっぱり
初蝉にも気付かずに
いつのまにか蝉しぐれ
蝉時雨の中で
汗を掻き、涙を掻き

思い出の宝物が増える度
忘れものも増えてゆく
夏はいつも
忘れものでいっぱい

そうか、夏自体が
ひとつの大きな忘れもの
なのかも知れないね


いつのまにか夏
いつのまにかそして
夏の終わり

初蝉の前に帰りたい
きみと出会う前の夏に
帰りたかった

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