(詩)一粒の大地の上で

舗装された歩道の片隅に
小さな雑草が生えていた

そこに積もった
土だか砂ぼこりだか
分からないそこから
顔を出して

その雑草には
それが大地なのかしら

一粒のわずかな大地の上で
小さな雑草は
確かに生きていた

やがて小さな花も咲くかしら
誰にも気付かれることなく
或いは無残に踏み潰されながら

そんな一粒の大地にも吹く風に
わたしはなりたい

どんな小さな涙の粒にも
花を咲かせる栄養分は
詰まっていると信じて

やがてわたしも
この地を去ってゆく時

どんな小さな涙にも
やさしく吹き過ぎる
大地の風でありたい

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