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(詩集)きみの夢に届くまで

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詩の数が多いので、厳選しました。っても多い?
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#星

(詩)きみの夢に届くまで

この夜の何処かで 今もきみが眠っているなら この夜の何処かに 今きみはひとりぼっち 寒そうに身を隠しているから 今宵も降り頻る銀河の雨の中を 宛てもなくさがしている 今もこの夜の都会の片隅 ネオンの雨にずぶ濡れに打たれながら 膝抱えさがしているのは きみの夢 幾数千万の人波に紛れながら 路上に落ちた夢の欠片掻き集め きみの笑い顔を作って 都会に零れ落ちた涙の欠片の中に きみの涙を見つけ出せば 今も夢の中で俺をさがし求める きみの姿が見えるから この夜の何処かに 今もきみが

(詩)きみが星なら

きみが星なら 誰もいない駅のプラットホームで 終電車まで見上げている 何度も何度も大きく手を広げてさ この宇宙のどこかに きみのいる星がある きみが風なら 都会の人波にまぎれて 夜明けまで歩きたい ただぼんやりと 時より口笛吹いたりしてさ この星のどこかに きみの風が吹いている きみが海なら ぼくは名もない港になろう そして夜明け前打ち寄せる きみの涙にしずかに濡れよう いつまでも、いつまでも そしてきみのしおざい 聴いていよう

(詩)スター誕生

少年が 夕暮れの空を見上げている 通行人が問いかける 何を見てるの 少年が答える しー もうすぐ星が生まれるよ

(詩)星が泣く時

星も泣くだろうか この星の夜がしずかなのは この星の夜がまっ暗なのは 時としてこの惑星も ふと銀河系の果てに ひとりいってみたい、と思う 太陽系の軌道をはずれて ふと あまりにこの星の過去が美しすぎて あるいはこの星の現在が常にかなしすぎて ねえ この、宇宙の、大宇宙の どこをさがしても きっと恋の存在する星は あなた、しかいない そんな気がしませんか? そしてそれは とても素敵な、ことだと思いませんか? 地球という名前は 誰がつけたのでしょう わたしならもっ

宇宙を燃やしたら

もしも宇宙を燃やしたら 燃えカスの中には 愛が残っている 確かに憎しみより 愛な気がする 憎しみから命は生まれないのだ I love you 雲に隠れそうな星に向かって 叫びたい I love you 宇宙を震わせる位叫びたい

(詩)いつかわたしが死ぬ時

わたしがいつか 死んでゆく時は 流星のように落ちてゆきたい あんなふうに 消えてゆけたらいいなあ さーっと 一瞬のうちに跡形もなく 重い荷も罪も残すことなく まっ直ぐな光を放ちながら そしてその姿を見た 子どもたちが 夢や願いを一生懸命 唱えてくれるように 少しでもその清らかな 夢と願いが叶うように やがてわたしが 死んでゆく時は 野の花のように 潔く散ってゆきたい そんなふうに 去ってゆけたらいいなあ 或る日一陣の風が吹いて来て そのやさしき風に吹かれながら

(詩)星に口付け

地球という大きな まんまるの中にみんないて 姿形を変えながら 生まれたり死んだりを 繰り返している 花には雨 蝶には花の蜜の恵み 野菜にも雨 人にも野菜、収穫物の恵み みんな地球の愛で 生まれ育ったものたち マザーアース みんな、あなたの子ども 蝶が花に 口付けするように そして蜜を頂くように わたしも この星に口付けしよう トマト、人参、じゃがいも、サツマイモ レタス、大根、キャベツ、ブロッコリー かぼちゃ、きゅうり、玉ねぎ、ほうれん草 とうもろこし、なす、ピーマン

(詩)グッドナイト・モーニング

夜明けの星たちはどこへゆく まだ人影のない 駅のプラットホームから 列車にゆられかえってゆく 遠い銀河の彼方へと かえってゆくから 星たちには おはようがおやすみ おやすみなさいがおはよう 暗黒の闇の中に ふるえながら手さぐりで 肩寄せあう恋人たちのため おはよう今夜は 雲ひとつない銀河日和だ 時は流れ 夜明け前そして ひとつまたひとつ 恋人の胸にいだかれた 少女のほおに涙の粒が宿る時 ひとつまたひとつ 星たちは夜明け駅の改札へと急ぐ おはよう、おやすみなさい

(詩)夜空の星を見上げる時

幸あれかしと たとえばきみに 俺の祈りが届かない夜 幸すら儚く消え失せ 人生は無情 きみの前には 絶望だけが覆い被さる そんな夜にも たとえばオリオン座の 三ツ星だとかさ 無数の夜空の星の中の おんなじ星をおんなじ時間に きみと俺とが見つめるような そんな奇蹟みたいな瞬間があったなら その一瞬だけでも 祈りは届く 俺からきみに、なんてね そんな、わきゃないか それでも俺は諦め切れずに 今夜も遠い宇宙の彼方の 夜空の星を見上げている 無数の宇宙の星の中の たったひとつ