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【利益デザイナーである税理士が斬る】経営の多角化は必要な否か

昨今の経済状況を見ると、売上が減って利益が出ないよ!という悲鳴が多いように思います。

無論、私の顧問先でもそのような状況は等しく起こっています。

そんな時に必ず巻き起こる議論として
「既存事業ではない、別の売上の柱を立てよう!」
というものがあります。

これについての私の視点をお伝えしたいと思います。
結論から書くと

①.既存事業の検証(元々のポジション・未来の市場領域)
②.多角化する面積の決定(事業領域のズラし方の幅)

この2点を検証したうえで新しい分野に手を出さないと、既存事業も含め共倒れになります。
では、詳細を解説しましょう!


①.既存事業の検証(元々のポジション・未来の市場領域)
これについてはめちゃくちゃ時間をかける必要があります。
思い入れも大事ですが、factベースで検証しましょう。数字が大事です。
以下の質問に全部回答できるまで検証しましょう。

・売上が何%減少した?(単価減少?客数減少?)
・同地域のライバル店は売上何%減少した?
・自分たちは同地域のライバル店と比較してランキング何位だろう?
・既存の商品サービスは、来年以降人々がもっと欲しがるようになるのか?
・既存の商品サービスを脅かす商品サービスが世の中に広がる予兆はあるか?
・社会課題(人口問題・環境問題)により、自分たちの商品サービスが一気に不利になる予兆はあるか?
・貿易や資源の枯渇など外部要因により、自分たちの商品サービスが一気に不利になる予兆はあるか?

この回答を出してみると、結構ドラスティックに改革しないとね。となるのか、自分たちの努力だけで改善できる余地が多いよね。となるのかが分かると思います。
主観ではなく、客観的データを多く出してください。グーグルアナリティクスなんかは絶対に使ってほしいツールです。
ライバル店の動向なんて、感情ではなくfactベースの議論ですからね。大いに推奨します。と同時に、factベースのデータってどこで取得できるんだ?ってなると思います。
是非、模索してください!!!アキラメナイで!



②.多角化する面積の決定(事業領域のズラし方の幅)

上記①を検証すると、どのぐらいズラす必要があるか?も見えてくると思います。そのうえで、以下のマトリックスをご覧ください。

縦軸がお客様
横軸が商品サービスです

図中①は既存のお客様の既存の商品サービス、つまり現在の事業そのものですね。

図中②は既存のお客様に新規の商品サービスを提案する領域。

図中③は新規のお客様の既存の商品サービスを知ってもらう領域。

図中④は新規のお客様に新規の商品サービスを、つまりまったくの新規事業立ち上げという領域です。

①→②→③→④とシフトするに従い、利益を出す難易度も上がります。
図中④は完全なる新規事業立ち上げなので、難易度が高い事は理解できるかと思います。

図中②については既存の顧客に対する新規提案なので、すでに心の架け橋がかかっている顧客に対して提案ができます。アナタからの情報なら信頼できる!という状況なので、売れやすいかと思います。

図中③については、既存の商品サービスを新たな顧客に届けよう。というものです。商品サービスについての理解は済んでいるので、新たな顧客にも説明はしやすいかと思います。


既存事業の検証をしたあと、どこまで多角化するのか?と考える時のマップにしてください。

よっぽど悲惨な未来が待っている状況でない限り、既存事業に注力するのが最善策です。

が、今の世の中は外部要因が激変しています。
たかが半年で、自分の業界の未来が悲惨な状況になってしまった。という事も起こっています。

是非、主観ではなくfactで、客観的な情報で経営の多角化を検証してみてください。

ではまた!

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