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アートが破壊されない、本が焚書されない国

極めて知性の発達した社会基盤上では、その上で展開されるアートや書籍といったものは生み出す過程においても侵害されず、完成品として世に出た後にでも破壊されない。

国民に、精神的・物質的な充足があって、高度な知性が機能しているとき…内省、規範…に達成される。

アートや書籍といったものは、見方を変えればそれ自体が資材であり、資源である。銅、アルミ、ステンレス、プラスチック…といったもので、書籍は紙である。

極端に言えば、本は燃やすことで火の種にすることができるし、火をもって灯りをともすことができる。

これらが資源とみなされずに、製作者の生み出した、意図した形状と性質のまま、あるがままに存在しているのは、まことにこれらを取り巻く環境が高度な知性であることを表している。

言論の自由が保障されるというのは、憲法上のようなエクリチュールのものだけでなく、こういった物質的なものの取り扱いからも解釈することができる。

極めて不安定な社会基盤上では、資源は価値であり、金である。

また、不安定な社会基盤では、資本家による情報統制が強まり、自由な運動を象徴するこれらの存在は弾圧される。

ゆえに、アートで表現されたもの、書籍類は資源として収奪されたり、特定の政治勢力や思想勢力によって破壊される。

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