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車、バイクの趣味と交通哲学

どこまでも哲学の上を走り回っているに過ぎない。 どの国においても、赤信号は止まれ、青信号は進むことが可能、各種標識の持つ意味…というように、色と言語と意味が対応している構造を見ることができる。 さらに言えば、道路における左側通行・右側通行や歩行者は交通社会における弱者の位置づけである…など、信号の色や標識といった記号以外でも、無形の共通認識が見て取れる。 これらの認識は、人間の発達段階で早い時期から、学校で教わるような明示的な教育に始まり、家族や友人といったコミュニティの

    • アートが破壊されない、本が焚書されない国

      極めて知性の発達した社会基盤上では、その上で展開されるアートや書籍といったものは生み出す過程においても侵害されず、完成品として世に出た後にでも破壊されない。 国民に、精神的・物質的な充足があって、高度な知性が機能しているとき…内省、規範…に達成される。 アートや書籍といったものは、見方を変えればそれ自体が資材であり、資源である。銅、アルミ、ステンレス、プラスチック…といったもので、書籍は紙である。 極端に言えば、本は燃やすことで火の種にすることができるし、火をもって灯り

      • 生産現場におけるKAIZEN活動は、資本家と労働者間における搾取の構造

        カールマルクスによれば、労働者が生み出した余剰…時間、価値──もっと現場に即して言うなら、作業者が生み出した手待ち時間…は、資本家によって搾取される構造となっている。 生産現場における作業者は、はじめこそ習熟度が不足しているため、規定された作業時間をオーバーするか、または上限いっぱいに消費されるが、同じ作業を行っていくと習熟度が向上し、規定された時間内またはそれよりも早く作業を終えられるようになる。 これは人間に備わっている適応能力のなせるところだが、工場はこの人間特性を

        • 職場に配属された大卒実習生の話

          アダム・スミスの「国富論」によれば、分業によって生産活動は飛躍的に向上する。 現実に、自動車産業をはじめとする工業は、分業によって発展した。 彼の配属された職場を見渡せば、まさにアダム・スミスの提唱した哲学が隅々まで行き渡っている。 彼がそこで注目しているのは、「作業と仕事の違い」。 有名な自動車メーカーにも、「動いているけど、働いていない」という言葉があるが、これに近いものがある。 作業はあくまで、受動的なもので…標準作業に従って、ただただ組み立てていくという感じで、

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