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つまらないネタこそ、盛り上げていく

「ラヴィットを初めてご覧になる方、もう一度チャンスをください!」By川島明

なるほど。今日はそう締めくくったか。確かに今回、未来からやってきたミステリアスな釣り人キャラ、"フューチャーフィッシャー昴生"は誰が見ても明らかにノープランの塊。この発言は、お笑いに対して何かしら固定観念がある、またはストイックな方に向けて配慮した一言なのかもしれない。それに「こんなにつまらないラヴィット初めてだわ!」と途中吐き捨てるように言ったところも、現場のスタジオの空気感も茶の間と同様、"冷え込んで"しまったのだろう。

バラエティーの真の爆笑=M-1でよく言われる『老若男女の色々な視聴者に不快感や緊張を与えず、さらに頭を空っぽにして笑えるもの』と踏まえてフューチャーフィッシャーを観るとしよう。これはあくまでも僕の仮説として読んで欲しい。おそらく「悪い意味でこっちがハラハラさせられるようなあのアドリブがちっとも面白くもない。なぜなら、川島さんの『未来はどうなっているのか』系の質問にもごもごとしながら薄すぎる回答ばかりして期待を遥かに下回る回答をしている上に、間延びかつ小馬鹿にしている口調に腹立つ。パネラー席でいつも大して面白くないんだから、早く降板させろ!」となるだろう。そうお考えになるならば、その通りだ。どうしてバラエティー観るのに、出演陣だけでなく視聴者までも不安な気持ちを体験せねばならないのか。しかも亜生さんの釣り関係の授賞式の付き添い(もしくは見届け人)で、昴生さんが何かしら爪痕を残そうとした結果があのフューチャーフィッシャーの誕生。本人曰く、協会の人に提案されたキャラだと言っているものの、会場全体で困惑している様子が映像からよく伝わる。もう誰も扱うことのできない危険物である。

しかし、だ。バラエティーを沢山見てきた僕からは「それで終えていいのだろうか?」とお聞きしたい。フューチャーフィッシャー昴生は人に迷惑をかけまくっているつまらない問題児、と決めつけてよろしいのか。期待されている回答の先も読めないし、ベタすぎる未来人設定で、見てるこっちが不安にさせられるトラブルメーカーであっても、つまらないで完結させてOKだと思うのか。

この類で僕の考える『つまらない』は、そのキャラで堂々とやり切れていないことだ。どんなにクソつまんなくてもいいから、まずは自信を持ってキャラを固めて本人が導き出した正解を見せつければ、それは誰がなんと言っても真である。例えるならお題自由の即興劇と捉えていい。即興で何かを演じることは日頃様々なことで観察をしていないとまず演技に支障はきたすし、それで人の心を良い方向に向かわせるなんてもっとハード。しかもテーマやキーワードがそんなに与えられない難題を1人で作って立ち向かう。あまりにも、過酷ではないか。リアルでもない架空の設定なんて理解して貰えないし無理ゲー。やる方が損。でも押しとどめては、そのキャラの世界がなかったことにされる。これは悲しいことだ。キャラの表現はどんな形であれ素敵なものだ。好き好きが分かれてしまうだけで、本来は立派な…立派な……立派だ。。。もう途中から混乱してしまった(笑)それで、昴生さんはその点、堂々と振る舞われていたので、それはとても評価できると思う。

まあとにかく、1人でキャラ作りすると言わず、みんなで作り上げていけばいい!視聴者も「私その未来人の釣り人にこういう要素提案したいー」とか。そして本来は川島さんが謝るべき話ではないと考える。川島さん及びスタッフはたぶん、昴生さんのキャラ作りに貢献したのだから。「君の中の表現を見せてくれー」と。大事な大事な概念。「ラヴィットで1番つまらない」は嘘で固められていて、「昴生さんの表現…うぅぅテレビでは暗黙のルール上、こんなに間が空いたりしたら放送継続しにくいけど、実はもっと欲しい!」なんだと勝手に解釈している。本当は新しいキャラは生命の誕生と同じくらい、「がんばれ!いけ!何かほら!あちゃーやっちゃったなwww」なんて内心笑いながら。

そう、ラヴィットは温かく作っていく場であって欲しい。一般的には面白くないものを、面白いと思わせるフレームワーク作りを練習させるような場で。

伝わりましたか??この思い、言葉にしにくいですね…。

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