ゲーム開発者はユーザーの意見を見てるよって話 2024/08/21

以前開発に関わっていたコンシューマゲームが、あるバグにより炎上した事がある。そのバグの発生条件はあまりにも単純で、どうして気づかなかったんだ……と反省するばかり。


ありえないようなバグや設定ミスを残したまま、ゲームをリリースしてしまうケースはしばしばある。
無限の予算と人的リソースがあれば、失敗を防げるのかもしれない。残念ながら、そんなものはないのだ。我々は限られたリソースを用いて、決められた締め切りにむけて最後までギリギリの調整を続ける。締め切りを守って商品に仕上げるってのが会社でゲームを作る上での目的、仕事なので、見逃されてしまうモノも出てきてしまう。
現場で起こるリリース間際の修羅場を見たり聞いたり、経験してきたからか、今では、ゲームに関する炎上騒動に怒ったり嘲笑したりすることができなくなった。失敗してしまった過程を考えると、とても他人事とは思えないのだ。

とはいえ、ユーザーに開発側の事情や過程を汲んでくれと頼むのは、開発者のエゴの押し付けに他ならない。ユーザーは結果しか見てくれない。開発者が血反吐を吐きながら努力して産み出した作品であっても、「致命的なバグがある」「つまらない」と評価されたらおしまいだ。


ゲームを作る人は、ユーザーの声をよく聞いている。Twitterでの呟きは勿論、5chのスレ、Reddit、FacebookなどのSNS、個人ブログやnoteの記事にいたるまで、ありとあらゆる手段でエゴサーチして、ユーザーの声を拾っている。モバイルゲームを作っている大企業なら、インターネット上のユーザーの声を集める専門のカスタマーサポート部隊があるくらいだ。

もしあなたがつまらない、酷いと感じたゲームであっても、見捨てないでいてくれるなら、正直な意見を書いてくれると嬉しい。ユーザーが書いてくれた意見要望は、マジでほぼ全て開発チームに届いている。実際その意見を取り入れるかはわからないが。そうやって意見を言ってくれるユーザーがいるってだけでやる気も上がる。
ただし、言葉使いには気を遣ってくれると助かる。受け止める側も人間だ。汚い言葉で罵るような要望は受け入れがたいし、実際にそういう意見はカスタマーサポートチームがフィルタリングしてしまう。


今の仕事では、自らドッグフーディングし続けながら、ユーザー目線を忘れずに開発していきたいと思う。それで大成功するのが理想だけど、もし上手くいかなかったとしても、「得るものはあった」「自分の精一杯は尽くせた」と思えるような仕事をしたい。


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