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MY画像/記事を掲載の投稿集

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私の画像or記事を使ってくださったNote記事コレクション。 あなたの素敵な記事に、私の写真を使ってくださったり、記事の中で洞察のある議論をしてくださったりしてくださったりで、と…
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#小説

春の約束

第一章:新しい風  新しい風朝の光がガラス越しに弱々しく射し込む中、新しい黒のスーツに身を包んだ真希は、家を出るその足取りを意識的に軽くしていた。彼女の顔は緊張で引き締まっており、手には初日から使う新しい名刺入れが握られていた。桜の花びらが風に舞い上がり、通勤の人波の中で彼女だけが異彩を放っているように見えた。  電車の中で、窓から見える都会の風景は次第に高速で後ろに流れ去り、真希の思考もそれに合わせて過去から未来へと移っていく。彼女はこれまでの学生生活を振り返りつつ、これ

畑と天体とハロウィン 第647話・10.31

「さて、かぼちゃの用意はできた。あとこれか」私は郊外で小さな農園コスモスファームを運営している。今日は大学で研究員をしている彼が、大学の仲間を連れて、ハロウィンパーティーをすることになったの。  でも、仮装をして大騒ぎするとかじゃない。大学にいるケルト文化の研究者が「もっとも原始的なハロウィンの原形のような再現をしないか」という話で盛り上がったの。その際に郊外にある私の農園の前が、いちばんやりやすいのではということで、選ばれた。 「確かに、かぼちゃの栽培はしていたけど、な

🌳三題噺 #4

愛してる、ハロウィンパーティー、正方形  ジャックは、右手にランタンを吊り下げてぼうっとした暗い闇の中を歩いていた。  天国と地獄のはざまにあるような果ての無い闇を歩き続けて、おそらく何世紀も経った…。考える時間も歩数もかぞえるほどの世界軸は存在しない。  何も見えず何も聞こえず匂いもしない。それでも悪魔を何度もだまし死後に一度は生き返ったほどのこの男に耐えられるほどの苦痛でありはした。  歩いているうちには時々、暗い闇に白くぼんやりとした幻想が見えたりもした。その中には

子供の頃

 オトナ達が花見に浮かれる理由が分からなかった。 今、やっと分かった気がする。 長い冬を無事に越し、ほんのちょっとの間だけれど、楽しみましょう。  葉桜になり、気持ちの良い5月を過ぎれば暑い暑い夏になります。 そうこうする内、冬になり、あっという間にお正月。焦っても、もう遅い。 いろんな締めくくりを過ぎて、「あぁ、今年も桜🌸が見られたなぁ~」なんですね…………

30日間の革命 #革命編 150日

 文化祭前日。坂本と夢を見てきた”革命”がいよいよ目前と迫っていた。しかし、そこに坂本の姿はない。いるのは自分と、そして坂本のもとに集まった仲間たちのみ。革命は成功するのか、それともまた失敗してしまうのか。それは全て自分たちの手にかかっていた。  最後にメンバーで文化祭での段取りを確認する。最初は通常通り文化祭を開催する。そして、最後は加賀たちのクラスの発表のとき、行動を起こす。通常なら幕が降りるところで加賀たち白の会がジャックする。当初の予定であれば、たくさんの賛同者を集

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