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中国福州隔離日記【DAY3】午後と夜

きょうはしごとをわきに置きながら書いている。外に出るということも料理をつくるということもないと、なんにも変化がないのでしごともなかなかすすまない。

お昼は11時に、夕食は17時頃きた。大きな変化は夕方以外盛大なノックがなかったので、クレームでも入ったのかもしれない。あるいは、みんなお弁当の時間を把握したから不要なのかも。

滞在地点を高徳地図で確認してみる。
福州のダウンタウンから北東22キロくらいのところにある住宅地で、貴安という土地らしい。

ホテルを外から見ることはかなわないが、地図上の情報では「世紀金源温泉大飯店」というホテルらしい。
らしい、ばかりになるのは、裏口からチェックインもしないでホテルに入ったのも、どこか把握しないままバスを降りたことも人生はじめてのことなのでなにしろ確信がない。SF的であるけれど、この地図のデータがいじってあったら、なにひとつ詳細は不明なのだ。

と、書くが現実は、福州の温泉大飯店なのだろう。温泉もなにも部屋から出れない以上関係ないけれど。現実は、わりとスタンダードな中国のホテルで、大きなお皿が飾ってあったり、ガラス張りの浴室には大きなバスタブがあったり、高級感をかもしだしつつも、やはり掃除が粗く、書斎のとなりのタンスの隙間を上からのぞいてみたら、おそらくは何代かまえの滞在者が投げ入れたパンの袋やパンがそのまま埃層の上に転落している。

滞在場所がわかったところで、これまでわかった情報を少し整理して正確にしておくと、お弁当は一括して、福州聚春园(ジュチュンイェン・シュウシュンエン)食品公司が受注しているらしい。最初は箸の入っている袋の生産地を読んで、広東省の会社かと思ったのだけど、それは箸の製造元で、聚春园自体は清の時代に福州ではじまったらしい。
ここもらしいばかり。

はっきりしているのは、ここでの生活にすっかり慣れてきていることと、お弁当のごはんには避けがたく揚げものがのっているということ。いつの日か懐かしくなってしまうだろう、これを3週間も食べ続けたら。

状況は時間とともに変化するだろうし、都市部のホテルでは待遇が違うだろうから、いま書いていることにはなにひとつ参考になるような(役に立つような)情報はないはず、なのだが、はじめてしまったからには、1週間の献立をすべて記録しないことには満足できない気分がしている。そんなわけで

「不要晩餐」というような無粋なメモははらず、本日の食事記録を。
お昼は、カボチャの煮物(わりといける)、牛肉と玉ねぎの炒めもの(わりといける)、薄い豚肉のぶつぶつ揚げオンライス(見た目は魚のうろこみたいでこわいがまあいける)、ひたすら昆布煮、片栗粉味野菜くずスープ、オレンジ。慣れてきたのかわりと満足してたべる。スープ以外。

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夜は、パプリカと鶏肉炒め、じゃがいものニンニク炒め(辛ければ文句なしだった)、鶏もも肉の甘いだけ紅麹焼き(残した)、中身不明揚げ餃子、駄菓子カツとバナナだった。

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コンビニ弁当を食べ続けるよりエネルギーはついてくるというか、くさっても鯛というか、この少しくらい脂っこくてもくどくても体が温まり、よくわからん活力がわいてくるのが、中国の食なのだろうと感じる。
それにしても毎日おんなじだなー。

そろそろ空港バスがついて縁日のにぎわいがはじまるので、こちらはビリーズブートキャンプでもしよう。

そういえば、なんでパックされたお弁当のなかで汁が飛び散ってるんだろ、と思っていたのだけど、トラックの搬入を見ていて一瞬で謎が解けた。お弁当のつまっている(と思われる)発砲スチロールを盛大に横倒しにしてトラックから押して落としてるのだからそれは当然飛び散るのだろう。
これもまた驚くほどのことはなく、よくあること。



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