【心臓リハ 心理ケア】本『心臓の声を聴け』
心筋梗塞の退院の3か月半後、突然虫垂炎になった。心臓薬の内服により手術は大量出血のリスクが高かった。こうして私は再び命の淵を覗くこととなり、改めて命のことや体のことを考えている。
自分の体に何が起きたのか、そしてどうしたらそれが防げるのか。
何となくやりすごしていこうかと思ったりもした。けれど、怖いことから目をそらすのではなく、まっすぐに見つめて、考えてみようと思う。そうしなければ前に進めない気がするから。
それで勉強している。心臓や膠原病、ステロイド等の勉強。図書館で本を借りて読んでいる。勉強っぽいのは、本を漫然と読まずに、一度全部目を通してから付箋を貼って見直している。特に心臓の本はノートにメモを取っている。大人なってからこんな風に勉強をするとは思っていなかった。
今読んでいるのは『心臓の声を聴け 患者とつむぐ心臓病と癒しの物語』。著者はアメリカの心臓が専門の女性医師。
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<目次>
日本語版序文 上塚芳郎(東京女子医科大学教授)
はじめに――心臓の物語とは
◆第一部 機械的ポンプの神話
第一章 まだ知られていない心臓
第二章 心臓、脾臓、漏れるバルブ
◆第二部 心臓の言葉
第三章 ストレスの霧の中で
第四章 怒りのこだま
第五章 うつ病の風景
第六章 聖なる啓示
第七章 悲しみの呪縛
◆第三部 臓器を超えた心臓
第八章 小さい脳
第九章 万人をつなぐ一つの心臓
第一〇章 思いやりのある医療へ
引用文献
参考文献
訳者あとがき
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この本が言っているのは、「心臓はストレスや怒りや失意の影響を直接受ける器官」であり、さらには「脳と直接対話する回路を持っていて、独立性が高い組織と神経を持つ器官で、役割は脳よりも優位である」と。
だから、ストレスへの対処方法を身につけた方がいい。そして、医師の立場としては、直接の治療だけではなく患者の話を、気持ちを、聴かけなければ意味がないという。
気持ちの持ちようには、話すことの他にもヒーリングや瞑想や祈りも大きな影響をもたらすことが、科学的に証明されている。それで著者は、東洋と西洋の医学や手法を統合した医療センターを設立して、運営している。
心臓のリハのためにストレスマネジメントが必要なのは想像していたが、ここまで気持ちと直接つながっている器官だとは思わなかった。私のこれまででの生活は、心臓に相当負担をかけていたのだろう。
私がこの本を手に取ったのは、『心臓の声を聴け』という題名が気になったからだった。入院中は、毎日自分の体だけと向き合い続けた。私はこれまで生きてきて初めて、「自分の体の声に耳をすます」「自分の体に静かに向き合う」経験をしたのだと思う。
病室の窓から冬の朝焼けの鮮やかな輝きを見ながら感じた、生きている自分の体。私が生きてあり続けるために、誰かに命を奪われることがないように、私を傷つけるすべてのものを拒もう。
もしどうしても、私がいつもの感じ方や行動の癖で自分を傷つけてしまうのならば、他に方法が見つからないのならば、瞑想や気によってでも武装しよう。
本当に体に向き合える方法を探そう。
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Ⓒ2021青海 陽
書籍名:『心臓の声を聴け 患者とつむぐ心臓病と癒しの物語』(ミミ・ガルネリ著 創元社 2011)
読んでいただき、ありがとうございます!☺ かつての私のように途方に暮れている難病や心筋梗塞の人の道しるべになればと、書き始めました。 始めたら、闘病記のほかにも書きたいことがたくさん生まれてきました。 「マガジン」から入ると、テーマ別に読めます(ぜんぶ無料です)🍀