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【心臓リハ】眠りの知識|眠りの本3冊(まとめ)ーその1

 夜、帰って部屋の電気を点けると、窓際の水槽のメダカが、気持ちよさそうに眠っている。眠っているメダカは、上手にバランスをとりながら、水中に止まって揺れている。部屋が明るくなっても動かない。彼らにとって、今は夜の時間なのだろう。

 それと比べて私はどうだろう。夜中まで起きてタブレットでYouTubeや映画を見ていたり、休みの日は昼まで寝ていたりする。眠れないのではなく、夜遅くまで眠らない。中学の頃からずっと、夜更かしするのが好きなのだ。ラジオを聞いたり、文章を書いたり。あの頃、真夜中に、世界が無限に広がっているような気がしていた。

 本当は、メダカのあり方が正しいのだろう。私の自然に逆らったリズムでの生活は、私が発症したいくつかの病気と、無関係ではないはずだ。そろそろ真面目に眠りについて考えよう。そう思って眠りの本を何冊か読んだ。

 難病や心臓リハビリの一環として、少しまとめてみたいと思う。


 なお、この記事は、以下の3冊の本を中心に、その内容を要約しながら記載しています。これからこれらの本を読む方は、ご注意ください。
 この記事の元になった記述は、下記書籍の番号で、本文中に記載した。

①『眠りの悩み相談室』 粂和彦 ちくま新書
②『8時間睡眠のウソ。――日本人の眠り、8つの新常識』
 川端裕人(文筆家)、三島和夫(国立精神・神経医療研究センター部長)日経BP 2014
③熟睡の習慣 西野精治 PHP新書


1.ヒトはなぜ眠るのか

🔹 眠りは脳を休めるもの
眠りは脳を休めるためのもので、肉体を休めるためのものではない。肉体を休めるためにはじっとしていれば良く、運動して疲れを感じるのは、運動中に脳が非常に多くの処理をしているから。(①)

🔹 ノンレム睡眠とレム睡眠の意味
ノンレム睡眠は脳を休ませるものだが、脳代謝を落として冷却・休養させる。ノンレム睡眠は大脳皮質を冷却する睡眠なので、霊長類などの高等動物で発達した。

一方レム睡眠は、筋肉を弛緩させてエネルギー消費を抑えて体を休めている。これは霊長類以前の古くからある睡眠である。

そして、ノンレム睡眠の中にも、特に脳を休めるために大切な深い睡眠(ステージ3,4)があり、これを「深い睡眠」「深睡眠」「徐波睡眠(脳波がゆっくりになる)」と呼ぶ。(②)

【睡眠の重要な働きは、「グリンパティック・システム」と呼ばれる脳の老廃物処理。脳にはリンパ系が通っていない代わりに、グリア細胞の表面に水を取り込む仕組みがあり、脳脊髄液が脳内に取り込まれ、老廃物を洗い流している。このシステムは、眠っている時に、起きている時の4~10倍活発に行われる。睡眠が不足すると、アミロイドβなどの老廃物が沈着して、アルツハイマー病等の認知症や神経疾患のリスクが上がる。(③)】

・・・その2へ続く

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文:©青海 陽


読んでいただき、ありがとうございます!☺ かつての私のように途方に暮れている難病や心筋梗塞の人の道しるべになればと、書き始めました。 始めたら、闘病記のほかにも書きたいことがたくさん生まれてきました。 「マガジン」から入ると、テーマ別に読めます(ぜんぶ無料です)🍀