2023年、今年出会ってよかった作品
映画
『あのこは貴族』
小説も良かった。押し込められてた世界から抜け出して新しい自分に出会いなおしていく感じだった。誰かと連帯すると世界の見え方が変わっていくこともあるんだという希望を感じた。
『PLAN75』
一見、制度として実現しなさそうな設定だけど、この映画を観てから、こういう感覚って実はすでにいろいろなところに根付いてしまっているんじゃないかと怖くなった。「設定」とか「仮定」の話ではなく、実はこの世界と地続きの作品だと思う。
『スパイの妻』
後半で「ハッ」とさせられた。「自分のための映画だ」と感じる人も多いのかなと予想します。
ドラマ
『日曜の夜ぐらいは…』
とても見やすいドラマだった。しんどい場所から、手を取り合って安心して深呼吸できる居場所を作っていく感じ。そこに「同じ属性」ではなく「同じような感覚/思い」で人が繋がっていく様子がとても印象的だった。
『silent』
恋愛ドラマに見せかけていたけど、人と人がどうコミュニケーションしていくか。その中で「一段一段、丁寧に階段を昇っていきたい」という思いそのものが中心に描かれていると感じた。
『エルピス』
テレビドラマとして挑戦的な内容だった。観終わってからしばらく経ったけど、だからこそ「報道の異様さ」や「権力の怖さ」は、2023年に生きる自分たちとあまりにも地続きだと感じる。
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』
とにかく面白かったし、「安心して楽しめるフィールド」みたいなものを制作陣が丁寧に作ったのかなということが窺えた。草太と七実のジェットコースターに乗る前の軽い掛け合いに、「今までないものを観た」という感覚があって嬉しかった。
音楽
『フロンティア』
今年も RAY にハマっていた。その中でもやっぱり『フロンティア』には何かが強く肯定されるような感覚になる。YouTubeの公式のライブ映像も良かった。RAY が好きだったからこそこの曲にも出会えたと思うし、そこから自分の「好き」がさまざまな人やグループ、作品と結びつく現象にいつも幸せを感じます。
本
『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』
今、再読中。最後の一文にびりびりと痺れて、映画版のラストシーンでも同じような感覚になった。なぜ、こんな感覚になったのか知りたくて再読してます。全体的に危なっかしいところを歩いている感覚が人間として生々しくもあり、やさしさに包まれているようでもあり。七森や麦戸が安心して生活できるような世界であって欲しい。
『Dr.STONE』
科学とは何か。作中で出てくるひとつの答えが「ひとつひとつ地道に楔を打ち続けること」。高速で文明を進めていく壮大な物語でありながら、トライアンドエラーを繰り返しながらも、各々の特性を活かしながら1本の紐を手繰り寄せていくような、とても繊細で丁寧な物語でもあった。
エッセイいろいろ
他にもいろいろな人のエッセイを読ませていただき、発見や新たな視点をもらいました。エッセイは面白い!