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君のオススメに面白いものはひとつもなかった

自分の好きなものを他人と共有出来ることって思ったより難しいことだと思う。

私には歳が少し離れたイタリア人の彼がいるのだが
↓過去の記事参照


年上イタリアン彼氏 -馴れ初め編-|Honoka #note https://note.com/aomammaru/n/n5304fb210d2c

彼とはなかなか趣味が合わない。

一番合わないのが、彼が私と好きなものを共有したがることだ。しかも一方的に。

例えば、テレビで彼の好きな芸人が出ているとする。しかし私はあまり興味がない。すると彼は私にその芸人の素晴らしさを力説し始め、テレビが終わるとYouTubeなどで永遠とこの芸人が出ている動画を見せてくる。
音楽も同じで、彼が好きな音楽をかけて私がそれを何気なく聴いていると「この曲どう?好き?どう思う?感想は??」など、もの凄くコメントを求めてくる。私の反応がイマイチであればまた力説タイム突入。
この力説と映像資料を見せられる時間がなかなか長くて億劫なのだ…

そのくせ、たまに私が自分の好きな曲をかけたりしていると「なにこの曲、僕の好みじゃない。」と一蹴し私のBluetooth接続を切ってしまう。
そして彼の好きな音楽をかけて力説の果てしないループ…

一方私は彼と好きなものを共有しようとは思っていない。もしも出来るならいいが、出来ないとわかっているからしないのだ。 

私は自分の好きなものは自分のプライベート空間に存在するものであり、共感が出来ない人とはその空間を共有することは出来ないと思っている。
他人が共感出来ないものを無理に押しつけてしまうと、相手はそれに不快感を覚えてしまって自分の好きなものが相手にとっては「興味がない」から「嫌い」になってしまうこともあるからだ。私は彼に自分の好きなものを「嫌い」と言われたくない。

なので私は彼と自分の好きなものを共有することは諦めている。

でも私たちは完全に趣味が合わない訳ではない。

たまたま街で耳にした音楽がふたりともすごく良いと感じて、曲名とバンド名を調べて一緒に聴いたりするし、Netflixで適当に選んだ映画も感想が一緒になることが多い。美術館に行って二人とも同じ作品がお気に入りだったこともあった。

それだけでなく、彼がしつこく私に音楽を聴かせたりテレビ番組を見せてくるなかでほとんどは私の興味をひけないのだが、いくつか私も好きになったものがある。

彼は昔から日本のアニメの北斗の拳が大好きでやたらとイタリア版を観せてきて、最初はあまり興味がなかったものだが、自国のアニメだし、と思って観ていると確かに面白い。ラオウとトキの死闘はなかなか目が離せなかった。

こう思うと、諦めずにしつこいくらい「好き」を共有しようとしてくる彼は、私と一緒に楽しめる時間を増やそうとしてくれているのかもしれない。

私はまだ自分のプライベート空間の解錠をすることは難しそうだが…

君のオススメに面白いものはひとつもなかった
それでもついていきたいと思った たのしい日曜日
愛してる.com更新  [愛してる.con/ 大森靖子]

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