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ならわし―家族の物語―

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小説「ならわし」全9話(+‪番外編)を纏めます。
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記事一覧

小説 | ならわし (①)

たとえば、こういうことがまかり通る世の中であったとして──。 子供を生むことができない…

青豆ノノ
3か月前
107

小説 | ならわし (②)

「受け入れてくれてありがとう。今すごく、心があたたかいよ」 夫から懇願されて、ついに根負…

青豆ノノ
3か月前
98

小説 | ならわし (③)

その日初対面の医師は、なかなかの高齢だった。夫の家系の出産のほとんどに立ち会ってきたのだ…

青豆ノノ
3か月前
95

小説 | ならわし (④)

夫の母が苦手だ。 妊娠が発覚して、初めて会いに行ったときの異様な視線がたまらなく嫌で、未…

青豆ノノ
3か月前
92

小説 | ならわし (⑤)

結局、夫の母からは欲しい回答を得られないまま、帰路についた。 謎は深まるばかりだ。夫の母…

青豆ノノ
3か月前
98

小説 | ならわし (⑥)

目を覚ますと、部屋の中は暗かった。 うっかりソファーで寝落ちしてから随分と時間が経ったよ…

青豆ノノ
3か月前
92

小説 | ならわし (⑦)

夫は夫なりに抱えるものがある、そんなことを感じて、私たちは理解し合えるかもしれないと思い始めていた。 予定日も近づき、段々と増え始めたベビー用品を見ながら、隣で本を読んでいる夫にふと尋ねた。 「ねえ、生まれた子が女の子だったらどうするの?」 私たちの通う産院は、事前に性別を教えてくれない。それもこの家系のしきたりなのだそうだ。私は特にそこは気にしていなかった。むしろ楽しみではあったのだが、ひとりっ子の多い夫の家系で、女の子が生まれた場合、家が途絶えてしまうことをどう思っている

ならわし ~家族の物語~| 番外編

連日投稿している「ならわし」が明日で終わる。こんなに多くの方々に読んで頂けるとは思わなか…

青豆ノノ
3か月前
93

マーガレット・アトウッド『侍女の物語』

 若い頃、今のアメリカをよく知らなかった。特に、アメリカの翳の部分は。  アメリカの問題…

海人
3か月前
62

小説 | ならわし (⑧)

0:15AM おお。やっとるな。やっとるやっとる。 何度見ても見慣れない、この光景。 酷く…

青豆ノノ
3か月前
93

小説 | ならわし (⑨最終話)

夢を見ていた。 母を求めて泣いている、幼い頃の私がいた。 愛されたくて泣いていたのか、暗い…

青豆ノノ
3か月前
105

ならわし。【掌編小説】

ビビりな弟は兄を攻撃した。 ちょっとした誤解からだった。 暗闇から不意に現れた姿に驚いて …

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