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私は子供なんて絶対に欲しくないと思っていた。だけど、彼の遺伝子なら産みたいと思えるんだ。

私は子どもや赤ちゃんに対して異常な嫌悪感を抱いていた。
絶対に子どもなんか産まない。
産まない人生で、生きる。

きっとそんな風に思ってしまう要素は沢山にあった。

私は小さい時、自分なんて生まれて来なければよかったと思っていた。
母は若くして私を産んだが、私は生まれつき先天性の側彎症という障害を持っていた。
そして家庭環境がごちゃごちゃと複雑なのだ。

この病気に関してと、家庭のことについては、また別記事で書きたいと思うけれど、とにかく生きるのが苦しくて辛かった。私は、自分がこの地球に生まれ落ちたことを恨み続けていたのだ。

母は安易に「子どもがほしい」と思ったのかもしれない。そしてその1人娘は病気持ちで、お互い苦労することになる。
長年のコルセット装着の苦しみも愚か、高校1年のときに大手術をして、私の背骨には今でもチタンが埋め込まれている。

そして、チタンを取り除く手術もするべきだったのだが、あんな苦しみはもう金輪際味わいたくないと二度目の手術を拒んだ。

「将来、別の病気が見つかったときとか、子どもを産むときなんか大変だよ」と医師は言った。

「子どもなんて絶対に産みませんから」と私は言い放つ。

私は本当に子どもが嫌い。
子孫なんて残したくない。
何より出産など気持ち悪くてできるはずない。

そう思い続け、私はこのカラダでチタンを埋め込んだまま生きている。
そして、しあわせな「家庭」など馬鹿らしかった。

私はハタチを超え、誰と付き合っても結婚のことは考えずに恋愛だけを楽しんでいた。

そして数々の恋愛のうち、とある、どうしようもない男のことを死ぬほど好きになる。
その男は、子どもがほしい。と言っていた。

私は将来、産むつもりはないと伝える前に彼は「子どもが産めない女とは一緒になれない」という発言をした。

そしてお互いが歩み寄るようになった頃、
私は、その男のことが本当に欲しくなった。

この人の子どもなら、産みたいかもしれない。

私は生まれてはじめて、そう思ったのです。

私は側彎症に詳しい病院の先生のところへ行き 
レントゲンの写真を見せ、

「私は将来、子どもを産めるのでしょうか」と聞きにいったのだ。

「産めるよ。何度だって。あなたは骨盤が開かないから、帝王切開なら可能。産んだ方がしあわせだよ、子どもは、かけがえのない財産だよ」

それを聞いて、泣きそうになりました。

そして、その男との未来を真剣に考えていたのが…
とんでもない裏切りによって終わるのでした。

親友は、私が子どもを産んでもいいという気持ちになったことにとんでもなく驚いていて、
そして何年かしてこう言った。 

「あのとき、間違えて子どもつくったりして、産まなくて、本当に本当によかったね。そんな奴の子どもをつくっていたら、大変な人生になっていたよ」

それから、そのヒドイ男のことで相談をしていた元カレは

「そいつとはもう縁を切って二度と会ってはいけない。だけどそいつは1つ、青子にとってイイものを教えてくれたよ。あんなに子どもが嫌だと言っていた青子のなかに〝子どもがほしい〟という感情があることに気づかせてくれたことだよ」

と、言ってくれた。

それからまた何人かとお付き合いをしたが、
やっぱり結婚をしたいと思わなかったし

子どもがほしいと思った一瞬の感情は、まるで幻だったかのように忘れてしまったのだ。

ところが…

それから5年後に、その男は現れた。
前より少しマシになって、私に会いにきた。
その彼と私は、時を経て真剣交際をすることになったのです。

(この経緯はこちらの記事に詳細が書いてあります↓)

そしてやっぱり私は、今の彼との子どもなら欲しい。彼の遺伝子がほしい。

再び、そう、感じているのでした。

…私や彼がそもそも子供を宿せる体質かどうから、まだわかりませんけどね。

だけど、こんなふうに思える人は、
私にとってたった1人。
彼なのです。

どうしてなのでしょうね。

ここから少しスピリチュアルな話になりますが、
とある、いろんな何かが「見える」知り合いにこう言われたことがありました。

「ねえ青子ちゃん。いまふっと見えたのだけど、今の彼と、青子ちゃん、前世で親子だった」と。

そのお告げには、とてもしっくりきました。

私がお母さんで、彼が息子。

…やっぱりそうだ。

私は、どんなダメな人間でも、どうしても彼のことを見放せない。私と彼はどうしても繋がっている気がしているのです。  

さらにその人は、
「でもね…その前世でね、青子ちゃんはその子どもをお腹に宿したまま、産めなかったの。とても産みたかったみたい。だからね、この世にお互いが存在していて、お互いがお互いのことを探していて、やっと見つけたんだよ。やっと出会ったんだよ」

前世というものは曖昧だし、真実なんてわかりません。だけど、もしそういうストーリーがあったのだとしたら、とてもロマンチックですよね。

私は前世からずっと彼を探していて、会えたと思ったら裏切られて、またこうして私の元へ戻ってきていま一緒にいる。
そして私は彼との遺伝子がほしいと感じている。

なんだかそう考えたら、
この前世のお話しはとても腑に落ちました。

どんなヒドイことをされても言われても、もちろん怒るし許せないけれど、
断ち切ることができないのは、彼が私の息子だからかもしれません。

わからないけれど、誰かを好きになったとして
「この人の子どもが欲しい」と思えた人こそ、
自分とその人の遺伝子で生まれる子どもこそ、
この世で会いたかった魂なのかもしれませんね。

ちょっと神秘的で非現実な話になりましたが、
信じてみたほうが面白い。

現世では、
私は、私の子どもに出会えるのだろうか。
私と彼は、2人の宝物を宿すのだろうか。

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