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なんで、MATCHAに出資してくれたんですか? - 星野リゾート代表 星野佳路さん

前回の田邊さんに引き続き、株主インタビューをしていきます。今回は第二弾で、星野リゾート代表の星野さんです。星野リゾートがMATCHAの株主になったのは、2018年7月。

今まで沢山の雪山をご一緒させてもらったのですが
「なんで、MATCHAに出資してくれたんですか?」の質問は、星野さんに聞いたことがなかったです。意外と緊張するんですよねこの質問。

今回のインタビューは、星野さんが経営者になって、7年目の頃に何に注力していたか?から始まります。


全員自分が採用していた

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ー MATCHAは今創業7年目なのですが、星野さんが経営を引き継いで7年目の頃、何に注力していましたか??

7年目ぐらいの頃、特に注力していたのが採用です。僕が全員、リクルーティングしていました。

当時はお金がなく、施設も新しくなかったので、優秀な人にいかに入ってもらうかに力を入れていました。採用のセミナー会に参加し、優秀な人を見つけて口説く。内定が決まっても、親が反対するので説得していました。

今でこそ多くの方からエントリーがある会社になりましたが、当時は面接に受けてくれた人全員に入ってもらう気持ちでいました。


「リゾート運営の達人になる」というビジョンを掲げたのは、経営を引き継いでから2年目の頃です。

仕事の内容は変わっていくので、やはりビジョンに共感してくれるかが大事ですね。採用の他にはブライダルや、収益が上がり続けていく事業推進に力を入れていました。

何か一つのことで、会社の状況が一気に良くなることはないです。一つ一つに成果を出し、銀行からの借り入れを増やし、投資する。その繰り返しです。


MATCHAに出資をした理由

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星野リゾートは、世の中でインバウンドと言われる前から、海外向けに意識を向けて動いていた印象があります。

いわゆる海外からの誘客に関しては、2005年から取り組んでいました。海外にはいいリゾートがあって、日本にはいいリゾートがなかった。

星のや軽井沢が出来てから、世界の良いリゾートだけを集めたエージェント「VIRTUOSO」に取り上げてもらうべく、飛び込みで営業をかけ、実際に来てもらい熱意を伝えました。結果、日本で初めての「VIRTUOSO」掲載のリゾートになりました。


ー なんで、MATCHAに出資してくれたんですか?

インバウンドの時代、長く伸びていく訪日メディアとパートナーを組むのが大事だと考えました。星野リゾートには良いコンテンツが沢山ある。

単なる業務的な繋がりではなく、お互いがWin-Winになるような,一緒に長く高めあっていくパートナーを探していました。

今後伸びていくメディアはどこかと探した時に、MATCHAが候補に上がり、青木さんに会って、出資を決めました。


ー 最後の決め手は?

なぜ決めたか?青木さんやMATCHAと相性やノリが合うと思ったからです。あまり比較はしませんでした。仕事というのは、人と人とのものなので。契約を結んだとしても、合わないなと思ったらダメですよね。意外とノリって大事なんですよ。

やっぱりね、みんな理屈で決めたがるんです。理屈で決めるとみんな同じ選択になる。そこに競争優位性はありません。今、ホテルが過剰に増えていることも同じで、頭がいい人が同じ数字を見て、同じ判断をしているからこうなっている。

最低限外さないための理屈であって、最後に決めるのは理屈じゃないところですよ。


訪日旅行者にとって圧倒的なNo.1メディア

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ー 改めて出資の背景を聞くことができて嬉しかったです。ちなみに、MATCHAに期待していることはなんですか?

シンプルに一つだけです。訪日旅行者にとって圧倒的なNo.1メディアであり続けること。訪日旅行者が一番見る、信頼されるメディアになってほしい。ただそれだけです。

色々とディスカッションもできるし、お互いにWin-Winであるプロジェクトをできる関係である。そういうメディアが、業界でトップであってほしい。やっぱりトップのところと付き合いたいじゃないですか。それだけです。


Unexpectedな体験をつくる

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星野さんのこだわりは、今まで星野さんが体験したことから形成されていると思います。最も記憶に残っている旅のエピソードを教えてほしいです。

25歳の時のことです。アメリカにあるSmoky mountain national parkにあるLeconte Lodgeという宿に行きました。

Leconte Lodgeからは、宿泊日の当日、午前11時に駐車場に来てください。と事前に連絡がありました。なぜ11時かというと、駐車場から宿まで歩いて4時間かかるからです。

駐車場に到着してから、いくつもの分かれ道を通り、宿に向かっていきました。途中で雪が降ってきて、本当にこの道であっているのか?いつになったら着くのか?と不安にながら歩いていきました。

数時間歩いた後に、宿が見えたときの嬉しさたるや。なにより、宿に到着した時に、スタッフの方がものすごいウェルカムだったんですね。とにかく感動しました。

予測していることだけが起きる旅行ってのはつまらないんですよ。旅行はやはり想像以上の、Unexpectedなものがあるかが大事です。Leconte Lodgeの体験や考えは、星野リゾートの宿作りにも大きくつながっています。


日本の可能性に頼るのではなく、自らが新しいモデルを作っていく

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星野さんが感じる、日本の可能性とは?

日本の可能性を頼っていてはダメだと思います。人口減少もあり、すごい長い時間をかけて、この国は競争力が落ちて、衰退していくことは見えています。

日本の可能性をあてにするのではなく、自らが新しいモデルを作っていく必要がある。資源は沢山ある国ですし、新しいモデルに移行する十分な時間的余裕があります。

また、会社として一つの国に頼らないモデルをつくるのは、今後グローバルで成長していく上で非常に重要です。MATCHAもそうですよ。MATCHAも日本で成功パターンを作り、他国に展開する等も視野に入れるのもいいのでは。

日本の可能性も大事ですが、それよりも問題は雪ですよ!雪がなくなるのは困ります!


あとがき

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写真を撮った場所は、北海道旭川にある旭岳でした。さすがに滑っているときは話を聞けないので、夕食時にお話を聞いてまとめました。いやーー、楽しい時間でした。星野さん、貴重な時間をありがとうございました。

嬉しかったのは、理屈じゃないという所で、MATCHAを選んでもらったこと。自分もどちらかというと感覚派で、理屈で最低限フィルターをしながらも、最後は理屈じゃない思いが大事だと思っています。

もちろん、「理屈じゃないもの」を伝えるのは難しい。理屈じゃないものを説明できるように、経営者としての必要な数字や考え方を身につけていく必要があります。あとは実績と信頼です。

星野さんの言葉は強い。一言一言に、人を動かすパワーがある。文章を書き起こしている中でも、熱いものを感じました。世の中にとって、ユーザーにとって、星野さんにとって、いい意味でUnexpectedな会社になれるように頑張りたいです。


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