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他職種といっしょに働くときのコツ

ラジオばっちこい心理学は心理学者2人で視聴者さんの質問に心理学的に答えて行く番組なのですが、その中で多職種カンファで、ん?と思ったときにどうすればいいですか?というお便りが来ました。

これって、なかなかあるあるですが、うまく対応するためにはいくつかコツがあると思っています。

あおき流ではありますが、いろいろな職種の人々が一緒に働くうえで、どういう心持ちでいることがいいのか?についてまとめてみたいと思います。

まず、背景理論や知識・哲学が異なることを理解する。

意見が食い違う原因として考えられるのが、背景が全く違うということです。異文化交流を考えてみてもらえたらと思うのですが、ぜんぜんちがいますよね。

それくらい違うと、違うと思えるのですが、医療従事者で集まった場合、「みんな比較的同じような背景をもっていると誤解している」ようです。医療従事者だから近い存在のように思えるのでしょう。

たとえば、医師は病理モデルで患者さんをとらえることが多いかもしれません。心理士は、病気の症状をグラデーションで捉えますが、病気や症状は「ある」か「ない」かです。

エビデンスを重要視する立場もあれば、理念や経験を重要視する立場もあります。もちろん共通する考えもたくさんありますが、基本的には考えは違うということを念頭におきましょう。

知らないということだけで、嫌悪の対象となることがしばしばありますので、その点は理解しておくといいと思います。

正したい反射に気づく


じぶんの意見と大きく違う意見を聞いたときに生じる反応が「正したい反射」です。

いやいや、そうじゃなくて…。とか、それって実はこうなんですよー。とか、それ根拠ないでしょ、とか。

自分自身の学んだり、経験してきたことにしたがって、じぶんの正解のほうに、相手を持っていきたくなるわけです。

そう言ったところ、相手はどういった返答をするでしょうか?

なるほど、そうなんですねーと返答があるといちばんありがたいですよね。

しかし、そういう返事ばかり得られるとは限りません。というのも・・・

こういうやり方がありますよの裏メッセージ

正したい反射の先にあるメッセージについてです。◯◯というようにしたほうがいいですよーの裏にあるメッセージは「あなたのやり方は間違っている」です。

あなたのやり方が間違っていると言われたら、どのように感じますか?

多くの場合は、否定されたと考えて、ネガティブな感情が出てきます。相手が怒りを感じた場合、攻撃対象になるでしょうし、不安を感じたら回避の対象になります。

ただし、多職種連携をするときに、何も言わないのもないと思います。言うタイミングが重要であるということです。

まず、相手の話をしっかりと聴くことです。


ん?と思うことでも遮らずに、うなずきをし、相手のほうを見ながら聴きましょう。そして、相手の言うことをさらに理解するため、質問をしていきます。

そうしていくと、だんだんとこのひとは敵ではないというように思われていくようになります。

相手がオンになるタイミングであれば、こちら側の意見も聞いてくれるようになります

どんなひとでもそうですが、「自分にとってマイナスではない存在、プラスな存在の話は聴きたいと思う」わけですね。

日常的な心がけとしても、多職種のひとと雑談したり、お昼ご飯を食べたりと、仕事以外のかかわりをすることも仲良くなるためには重要かもしれません。ときには、お酒を飲みに行くなどすると、もっといいこともあるかもしれません(時期を考えて、感染対策はしっかりと)。

短期的には、パッと言いたいことを言ってしまったほうが楽ですし、もちろん、それで聴いてくれることもあります。

ただ、「長い目で見たときに、どのやり方が最適かを考えて、多職種のひととかかわりを持つという視点もある」のかなぁと思います。

わたしもまだまだですが、お互い頑張っていきましょう〜。

では最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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