アンプロ行動の特徴
こんにちは、あおき@医学教育です。以前にアンプロフェッショナル行動(通称:アンプロ)について記事を書きましたが、今日はその前提となる話です。
アンプロって何かっていうと「プロとしてそれしちゃあだめだよね」ってです。医学生での例ですが、以下の論文とともに解説していきます。今日の論文を読む会(JC)で紹介されていました。
アンプロ行動とは?
アンプロ行動は「4つのI(アイ)」で説明されます。
Involvement(関与)
遅刻欠席、締め切りを守らない、自発性がない、全体的なまとまりがない、手抜き、チームワークに乏しい、しゃべるのが難しい
Integrity(誠実さ)
カンニングする、嘘をつく、盗作、改ざん、捏造、虚偽、同意なき行為、決まりや規則を守らない
Interaction(やりとり)
言語的・非言語的コミュニケーションの弱さ、ソーシャルメディアの不適切な利用、だらしない服装、授業中の問題行動、個人情報や守秘義務違反、いじめ、差別、ハラスメント
Introspection(内省)
助言を避ける、自身の行動に対しての洞察がない、他者のニーズを察しない、助言を受け入れない、自身の欠点ではなく外部のせいにする、変わることに抵抗する、限界点に気づかない
ということですね。中身を見ていくと、社会的にそれはアウトだろってことから、倫理的にダメだよねということもあるし、個人の特性値かなあということもあります。少なくとも欧米の文化ではこのような行動がアンプロになります。
詳しくは以下のレビュー論文に書いてますので興味がある方はぜひ!
アンプロ行動に関連すること
論文内では「アンプロに関連する要因ってなんだろう?」という議論がなされています。研究や理論ベースでわかっているものにはいかのようなものには以下のようなものがあります。
個人要因
能力不足、学習困難、メンタルヘルスの問題、パーソナリティ障害、身体的健康問題、物質依存、医学部へのモチベーション不足、疲労、空腹
対人関係の問題
文化的期待の違い、階層、役割や責任の無理解、コミュニケーションの弱さ、言葉の難しさ、構成スキルの乏しさ
外的要因
心理社会的ストレス、家庭問題、経済的困難
文脈要因
基準が不明確、官僚組織的問題、高すぎる期待、医学部の作業負荷の多さ、プロフェッショナリズムが奨励されない学習環境、不適切なスーパービジョン、役割モデルがない、悪い行動が賞賛される文化
こちらもかなり多次元ですね。どのアンプロとどの要因が結びついているというのもなんだかありそうな気がします。
どうやってアンプロ話を聞いていく?
最後に、アンプロ行動をやってしまった学生の話を聞くときに、どうやって聞いていくか?という話です。10個のステップで聞くと良いみたいです。
1.学生視点を聞く:どうしたの?
2.評価結果との整合性:アンプロしたことについては同意できる?
3.意図:なにを意図してやったの?
4.信念:なにが起こると思ったの?
5.文脈:どのような状況があなたを行動させたの?
6.力:その状況に影響を与えることはできた?
7.他者への影響:あなたの行動がほかの人にどう影響したと思う?
8.感情:今どう思ってる?
9.原因:プロフェッショナリズムの期待に応えることが、他の学生よりも難しい状況になっていませんか?
10.計画:次に同じような状況になったらどうする?
という10個の質問を使って、アンプロ行動について深めていくといいようです。質問攻めにすると、こころが閉ざされていくので、質問攻めにせずに、聞きつつ、相槌を打ちつつ、進めていくといいのだろうと思います。
というわけでアンプロの話でした。では、また!
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