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学生主体の教育:自己調整学習とフィードバックの役割【教育方法論再考】

どうも、あおきです。医学部でコミュニケーションと心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。

今日は「学生主体の教育」について、特に自己調整学習とフィードバックの役割に焦点を当ててお話ししてみようと思います。

教育の現場では、「学生が主体的に学ぶこと」が重要視されるようになってきていますが、じゃあ実際どうやって学生が主体的に学ぶようになるのか、そのためにはどんなサポートが必要なのか、考えてみましょう。

まず、「学生主体の学び」とは、学生が自ら学ぶ意識を持ち、自分で学習計画を立て、学習の進捗を調整し、自己評価を行うプロセスのことです。

これを「自己調整学習」と呼びます。自己調整学習は、ただ講義を聞くだけの受動的な学びとは異なり、学生自身が学びの主役になるための鍵となる考え方です。

じゃあ、どうやってこの自己調整学習を促すのかという話なんですが、そのためにはまず、学生が「自分で学びたい」と感じられる環境づくりが大事になってきます。

これって意外と難しいことなんですよね。学生が「学ぶことが自分にとって意味がある」と実感できるような授業や課題設定が求められます。

例えば、単なる知識の詰め込みではなく、実生活や自分の興味に結びついた内容を学びながら、その知識を実際に活用できる機会があると、学生の学びへの意欲が高まります。

学生が「これって役立つかも」「もっと知りたい」と感じられるような内容をどう設計していくか、これは教育者としての腕の見せ所ですね。

ただ、それだけじゃ足りないんですよね。自己調整学習を支えるもう一つの重要な要素が「フィードバック」です。フィードバックって、ただの「正解・不正解」の指摘ではなくて、学生が自分の学習状況を客観的に見つめ、次にどうすればいいのかを考えるための大事な手助けなんです。

ここで大切なのが「効果的なフィードバック」をどう提供するかということです。フィードバックはタイミングや内容がすごく重要で、遅すぎたり漠然としすぎたりすると、かえって学生のモチベーションを下げてしまうことがあります。

逆に、具体的でわかりやすいフィードバックを適切なタイミングで与えると、学生が自分の進歩を実感し、次のステップに進むためのヒントを得られるんです。

たとえば、学生が課題に取り組んでいるとき、途中で適切なフィードバックをもらうことで「自分がどこまで理解できているのか」「次にどんなことを考えればいいのか」を把握できます。

フィードバックを受け取ることで、自分の学習過程を振り返り、計画を修正し、次の行動に移す。これがまさに、自己調整学習を支えるプロセスなんですね。

また、フィードバックを通じて学生自身が「自分の強みはどこにあるのか」「改善すべき点は何か」を明確にし、自己評価の精度を上げていくことができます。ここでのポイントは、フィードバックが一方通行のものではなく、学生との対話の一部であることです。

学生が「これができている」「ここをもっと頑張ろう」と自ら気づき、次の行動を起こすためのサポートができるフィードバックを提供することが理想です。

さらに、自己調整学習においては、学生自身が自分の目標を設定し、その進捗を自分で確認できるようなシステムを作ることも有効です。例えば、進行状況を可視化できるようなツールや、学びの達成度を確認できるポートフォリオのようなものを取り入れると、学生が自分の学習を振り返りやすくなります。

学生自身が自分の学びをコントロールできるようになると、学びに対する責任感や達成感が生まれ、それがさらなる学びの原動力になるんですよね。

まとめると、学生主体の教育を実現するためには、学生が自己調整学習を自然に行えるような環境づくりと、効果的なフィードバックが欠かせません。学生が自分で学ぶことの意義を感じ、フィードバックを通じて次のステップに進むためのサポートができるかどうかが、教育者としての大きな課題だと感じます。

学生が自ら学び、成長する力を育むためには、ただ教えるだけでなく、学びのプロセスそのものを支える仕組みが必要です。これからの教育は、学生自身が学びの主役になれるように、どうサポートしていくかがポイントですね。

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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