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「子どもを可愛いと思えない」母親が激増している理由は?

先日、ベネッセ教育総合研究所という機関が出したプレスリリースで、衝撃的な結果が出てきました。

詳しくはこちらの2023年1月20日プレスリリースをご覧ください!

『子どものためにがまん』から『自分の生き方も重視へ』

というタイトルで始まるこちらの研究結果。

(ちなみにもともと保護者を対象にしたアンケートですが、回答者の9割が母親だったということから、母親という呼称を使用しているそうです)

1.2015年に比べて、母親の育児負担感や不安感は増加。また、「子どものためにがまん」 が減り、「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」という意識が上昇。
①子育てへの肯定的感情は減り、否定的感情が増えている。特に、働く母親の育児負担感や不安感が増え、就業形態による差は縮まっている(00-22年調査)。②母親の子育て観では、「子どものためには、自分ががまんするのはしかたない」が減り、 「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」と回答した比率が増えている(0522年調査)。

2.2015年に比べて、「母親の友人・知人」「祖父母」からのサポートは減少。
①しつけや教育の情報源は、「母親の友人・知人」「祖父母」が大幅に減っている (15-22年調査)。
②母親が家を空ける時、子どもの面倒をみるのは「父親」が中心となっており、父親以外のサポートが減っている(05-22年調査)。

3.低年齢の未就園児がいる母親は子育てへの不安がより強く、頼れる人が限定的。
①低年齢の未就園児がいる母親は、子育てへの不安が強い(22年調査)。
②低年齢の未就園児がいる母親は、人から得る「しつけや教育の情報源」に対して
「あてはまるものはない」と回答した比率が高く、頼れる人が限られている(22年調査)。

プレスリリース 「子どものためにがまん」から「自分の生き方も重視」へ ~育児負担感や不安感が増加、社会全体で子育てを支援する 「チーム育児」 を~

子育てが孤立化している理由

まず、3の核家族化についてですが

先日、インスタライブで産後サポートをされている株式会社アイナロハの渡邊大地さんともお話していましたが、今のママは

1.コロナ前から実家の両親とそりが合わず、夫婦で育児を乗りきる人が増えてきている

2.コロナになってからは感染予防の面で里帰りできない家庭が増え、更に核家族化、孤独な子育てが進んでいる

という話を聞きました。

なので、肌感覚的にも今のママは子育てを夫婦だけで乗り切ろうと頑張っていたり、頼れる人が夫しかいないという状況になりやすいのかもしれません。

これは2022年がコロナ禍だったから、という理由だけではないような気がするのです。
昔に比べて、今は祖父母も働いていたりする家庭も多いですし、両親ともに共働きも多いです。
要は、働いている人が相対的に増え専業主婦が減った分、育児の担い手も極端に減ってきているということです。

子どものためにがまんはしたくないけど結局がまんしている母親たち

注目すべきは1の

1.2015年に比べて、母親の育児負担感や不安感は増加。また、「子どものためにがまん」 が減り、「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」という意識が上昇。

プレスリリース 「子どものためにがまん」から「自分の生き方も重視」へ ~育児負担感や不安感が増加、社会全体で子育てを支援する 「チーム育児」 を~

という部分です。調査からもわかる通り、2015年に比べて

「子どものために我慢はしたくない」

のに

「子どものために我慢をする場面が増えてストレスが溜まる」

ママが多いとの事です。

これは、

1.以前より働くママが増えており、女性の選択肢が大きく増えたこと

2.SNSの普及で「自分らしく生きること」が顕在化され、身近な憧れのロールモデルを見る機会が増えてきたこと

3.特に専業主婦のポイントが高いことから、働いていないことに対して引け目を感じる人が減ったこと

などが挙げられると思います。
しかし、自己犠牲の子育て意識が減ったことで、子育てそのものが

今のこの状況は自分の生き方ではない」

かのようにとらえられているのかもしれません。

2000年から調査しているそうなのですが、どの年に比べても「子育てに対する自己肯定感」が圧倒的に低いです。

多種多様な生き方がママを不安にさせている

女性の選択肢が増えたことで、昔は

「皆同じように子育てをしている=ある程度女性は子育てのために自己犠牲をしてもそれが当たり前だった」ので、特にまわりと比較せずそんなものだよね、と子育てが出来ていたけれど

今は、どんな選択もある程度は出来るようになり「皆同じ」が減ってしまったので、より

「自分の生き方は自分で決めることが出来る=生き方を自分で決めなくてはいけない自己責任」

が生まれたため、仕方がないと思えていたことも
「いや、これは私の生き方じゃないし!」
と、否定しやすくなってしまったのかもしれません。

女性が自分らしく生きることは大切なことです(私もよく言っています)

でも、自分らしく生きるを大事にするあまり「自分らしい生き方」の概念に柔軟性がなくなっているような気もします。

子育ては確かに自分の時間はなくなりますし今までしていた好きなこともできなくなるかもしれません。

時間に制約がかかり、自分が自分でなくなったような感覚にもなるかもしれません。

人は変化を嫌います。

今までの環境ががらりと変わると不安を覚え
SNSなどの育児情報に振りまわされ
身近に相談できる人もおらず、ひとりで解決しないといけない
外に出たら、迷惑をかけていないかとドキドキして
人からの目を気にするようになってしまい、家にこもるようになったり…

私も、長女を産んだときにそうなってしまったのでよくわかるのですが

でも、子どもがいる自分も「いまの自分の一部」なのです。
はじめは、環境の変化に戸惑うのですが、そのうち慣れてきます。

そして、子どもがいる自分が当たり前になってくると、今度は子離れの時期を寂しいと感じるようになる。

そうやって少しずつ、いろんな自分を受け入れて、育児とはそれまでの
「これが私」と思っていた自分らしさが少しずつアップデートされていくものなのだと思います。

「母になった私」を楽しむコツ


子どもを持つ=自分らしく生きられないではけして無いのです。
母になった自分、にアップデートしただけの話です。
環境がガラッと変わったので、アップデート対応がちょっと追いついてないのです。

そして、母になった自分からまた「自分らしい生き方」を追求できるのだと思います。

子どもがいると、たくさんの「新しい私」に出会うことができます。

こんなことでイライラする私
意外と料理が好きな私
子どもの好きなものに付き合っているつもりが気が付くとハマっていた私
子どもと見る景色を美しいと感じる私

↑ちなみに私は料理が嫌いなことに気付いたくちですが

私は、子育て中にたくさんの発見をしました。

良いことも嫌なこともたくさん気づきました。
こんなはずじゃなかった!と思うこともありますが
それも含めて、人生だなぁと感じます。

そして、3人の子どもを産んで分かったことは

子どものためにがまんする私も嫌いじゃない

ということです。

誰かのために生きることは、幸せの本質をついている


歳を取るにつれて、自分だけのために生きることの物足りなさに気づきます。

「利他の心」という言葉が私は好きです。

誰かのために生きる日々は、大変な事もあるけれど、やりがいと使命を感じるものです。
間違いなく「私はこのために生きている」と思える存在がいることは幸せなことです。
(子どもがいなくても、誰かのために生きることの喜びは感じることが出来ます…人のために生きると決めたら)

仕事とは、自己実現とは、誰かの役に立つこと

社会的にでも、人からでも…

そう思うと子育てというのは子どもを産み育てるということでは自己実現のひとつなのです。

なぜ、育児は利他の心を感じられないのか


育児が大変だと感じるのは「評価を得られないから」
だと思います。

正確にいうと、評価を得にくい。

子どもが大きくなったら子どもが「ママ大好き」と
あるいは「ママありがとう」という言葉で評価してもらえる可能性が高いです。

もしかしたら、評価をしてもらえないこともあります。
仕事と違って育児は利他の手ごたえを感じにくいのかもしれません。
私たちは仏さまではないので、やはり見返りを多少なりとも期待してしまいます。

でも、仕事も究極を突き詰めれば本当にやりたいことであれば、誰かからの評価がなくても「やりたいからやる」。
評価は必要ありません。そんな仕事に出会えた時「これが私の生きがい」だと感じるのでしょう。

子育ても本来であれば「やりたいからやる」だったはずですが思った以上にハードなので、疲れてしまっていることもあるかもしれません。

それでも、ふと、
子どもが笑顔を向けてくれる瞬間や
隣で一緒に眠っている時
両手を必死に伸ばして抱っこを求めてくる時など

ああ、私はこの子のために生きているのだなと、自分の使命のようなものを感じる瞬間があるような気がします。

そんな時に、少し
「自分が生きる意味」
のようなものを見出せる気がします。

子どもを可愛いと思えないのはママのせいではない

少し話がそれましたが…子育て=自分らしく生きられないではけしてないことをお伝えしたいのと
やはり、調査の考察にもあるように

子育てが辛いと感じる原因はママにあるのではなく、母親の育児を取り巻く環境が年々過酷になっているのだと感じます。

パートナーの育児参加ももちろん必要ですが父親のサポートだけではない「チーム育児」を積極的に推奨していきたいです。

弊社おひるねアート協会は、おひるねアートを通じた子育て支援の団体です。
可愛い写真を撮ることが目的ではなく、ママの居場所づくりが目的で活動しています!
全国の講師が「ママ達の拠り所になれる第三者」として、活動しています。ぜひ、撮影会に遊びに来てくださいね。

子育てに関する調査を東大の先生と一緒に進めています!

ぜひご協力お願いします!


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