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あとからジワジワくる言葉

秋の気配がどんどん濃くなり、あんなに暑かった夏のことを思い出せなくなりつつある今日この頃ですが、いかがお過ごしですか。

最近、お仕事で会った人や、オンラインやメールでやりとりした人たちから、僕たちが夏に開催していた「TENTのTENTH展」のことをお話しされることがあります。

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たった1週間程度の展示だったので、それほど多くの方に見ていただけたわけじゃないんです。それに、その時はとくに感想も多くなかったんです。

でも、数ヶ月経過した今になっても、ちょくちょく
「モノづくりのプロセスが分かってすごくよかった」
「自分にもできる、やりたい、とワクワクした」
などなど伝えていただけてまして。

届く人には届いたんだなあと、嬉しく思っています。

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さてそれで、とくに言われることが多いのが「説明のパネルがよかった」というお話で。


このnoteをお読みの皆さんにも説明パネルの内容だけでも知っていただけたら嬉しいなあと、今更ながら思いました。

せっかくなので、自分用の備忘録も兼ねて。
今回は、その説明パネルの内容を記していきたいと思います。


1.何をするか?

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「デザイン」というと「すでにあるものをオシャレにするお仕事」と思われることが多いのですが、僕たちはできるだけ「無いものを作りたい」と考えています。

そのために、最初に社会状況や先行事例を参照するのではなく真っ白な紙と向き合います。

ハガキサイズのカードに1枚1案で、思いついた案をひたすら描く。描いた上で話しながら、絞り込むこともグループにまとめることもせずに、カードを増やし続ける。

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自分にとってイマイチなカードでも、他の誰かの刺激になることも。

そうして沢山のカードを描いていくうちにだんだんと、それまで無かったけれど心から欲しいと思う取り組むべき課題が浮かび上がります。



2.どう作るか?

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「アイデアはあるけど、どうしたら製品化できるか教えて欲しい」なんて質問をよく頂きます。

答えは簡単、まずは自分の手でとにかく試作しまくること、そして実際に使ってみる事、それだけが唯一の道です。

説得用の書類も難しい図面もコンピューターグラフィックも必要ありません。小学校の図画工作のように段ボールや厚紙でセロテープなんかベタベタのもので大丈夫。

綺麗な一個よりも汚い十個を、作りながら少しづつ良くしていく事が大切です。

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どんなにクオリティが高くても書類や画面は現実世界と繋がっていないから。実際に手にとって使える試作を、現実世界に置いて試しながら、どんどん作ります。


3.どう伝えるか?

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たとえば形状や機能を考える時、僕たちはそれだけを考えることはしません。

形状を考えたらそれを言葉にしてみる。言葉から写真をイメージしてみる。写真のイメージから音楽や映像をイメージして、また形状を考えてみる。

そんな風に、様々な次元を行き来することを大切にしています。

言葉は言葉の専門家に、マークはマークの専門家に任せるというような分業をしてしまうと、こういった行き来が難しくなってしまうので、できる限り自分たちも全てに関わるようにしています。

全ての要素が目立ちすぎる事なく支え合う事で、暮らしに馴染み、長く愛用してもらえる道具を作る事ができると信じています。

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以上になります。
もう終わってしまった展示のパネルについて今さら書くのもどうかなーと思いつつ。

もしこれらのテキストが、今まさにモノづくりに取り組んでいる誰かの支えになればいいなと思います。





ちなみに、臨時休業!


この展示も行われた 下北沢ボーナストラック内にある僕たちのお店テントの店舗は、このたび臨時休業に入らせていただくことになりました。

お店自体は順調に楽しくやっていたんですけど、ちょっと建物のほうで問題が発生しまして。工事なども必要な状況であることが発覚し、やむなく休業という判断になりました。

場合によっては数ヶ月におよぶ休業になってしまうかもしれません。
「緊急事態宣言が明けたら行こう」と思ってくれてた方には、本当に申し訳ありません。

無事に再開するときには、より一層パワーアップしていきたいと思います。

オンラインストアやデザインワークは元気いっぱいで営業しておりますので、引き続き、TENTをよろしくお願いします!



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