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越境するどころではない

こんにちは TENTidontknow.tokyo として活動してます。
青木です。

#Designship2019 の内容をnoteにも書かせていただいたところ、身近な方から「けっこう面白かった」と言っていただけて。

「ああ、記事として残しておくのも大事なのかも」と思った今日この頃。

昨日のつながる工場と暮らしに続きまして、
過去の講演のスライドを掘り起こしてみます。

今日は攪拌するデザインのお話を、
要約・改変したバージョンで書きたいと思います。

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ライブ配信の録画もありますので、見たい方はこちらのページからどうぞ。


ではまずは、今日お伝えしたい結論をお話しします。

日芸2018-05

ドドン。
「つくる」やつが得をする時代がやってきた!

日芸2018-06

僕たちは何者?ご存知ない方は、こちらのエントリーを読んでいただきたいのですが、ざっくりいうと

・プロダクトデザイナーだけどブランド全体デザインしてる
(最近こういう言い方よく聞きますねー)

・自社製品を製造販売しているメーカーでもある
(自腹でやって、自ら梱包発送、クレームも受け付けます)

そんな人たちです。

さて、そんな僕たちのポジションを確認した上で、聞いてください。僕たちのポジショントークを!


1.デザイナーという職能の変化

日芸2018-16

まずは、僕たちから見た「デザイナー」という職能の変化。その流れからお話していきます。

日芸2018-17

モノやサービスを考え、作り、一般のお客さんの目に入る、手に届くためには、おおよそこれくらいのお仕事が必要になりますよね。

企画、開発、製造
営業、広報、宣伝、
店舗、広告、メディア
などなど。

作ってから、たくさんの人を経由して、はじめて私たち「お客さん」の目に入ってきます。

で、デザイナーという職業は、そういう各パートをサポートする形で必要とされてきたのかなと。

日芸2018-18

ここまでを、ここでは仮にデザイナー1.0と呼びますね。(勝手にカテゴライズしてごめんなさい。。)

これを前提にした上で
様々な技術革新(とくにデジタル化)が進んだおかげで、一人ができる仕事の範囲が増えていった。

ざっくり、こんなイメージです。

日芸2018-19


「俺は企画と開発して製造もしちゃうぜ!」とか「店舗だけどメディアだぜ!」みたいな感じ。

そんな状況の中で求められるデザイナー像とは?

もちろん、こうなりますよね。

日芸2018-20

はい、かつては境界線があった部分を軽々と越境してしまう人材ですね。

横断的な掛け合わせのスキルを持つデザイナー。
これを仮にデザイナー2.0と呼びます。
(またまた、生意気にカテゴライズしてすみません。)

単一スキルのスペシャリストというよりは、知識やスキルの掛け合わせによって活躍する、新しい時代のヒーローたち!
優秀な経歴を持つ天才たちがひしめき合っている、これぞまさに最先端。

マルチな能力!すごいですね。



2.さて一方で、越境どころかという話。


一方で、
僕の友人でアイドントノウのメンバーでもあるtwelvetoneの角田崇さんという人がいます。

YouTubeが面白いですよ。)

YOKAというアウトドアブランドを、企画からお客様の手に届けるまで、あらゆる何もかもを1人でやっています。


また別の例。
僕が大好きでずっと使っている財布があります。その名はMINIMALIGHT

とにかく最高の財布なんですけど、今日はその話は置いておいて。これも、羽地さんという人が、企画し、お店あるいはお客様の手に渡るまで、あらゆる何もかもを一人でやっています。

あらゆる何もかもって、例えばこういうことです。

・考える(企画、設計、デザイン)
・作る(試作、工場への発注)
・伝える(撮影、Web、カタログ、SNS、販売イベント、、、)

僭越ながらですけども
僕たちTENTも自社商品、アイドントノウ商品、フライパンジュウは、これに近い形でやらせていただいてます。



次の例に行きます。

NATIONAL DEPARTさん

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こちらはもっと、とんでもないです。


社長である秀島さんが、
企画からはじまり、試作、型などの製造方法の考案、量産、撮影、全てのデザイン、Webサイト構築、PR、販売、、、、
もうとにかく何もかも。全部をやってるんです。

量産(製造?)まで、ですよ。お客さんが口にする、その商品そのものを、本人が本人の手で製造してるんです。

しかもハンドメイド作家的なやり方ではない。型を起こして、量産体勢を構築して、たくさんの人に届けるプロダクトとしてやっているんです。

商品そのものも見てみてください。見たこともないようなオリジナリティと、「食べてみたい!」と思う必然性が溢れてます。



3.デザイナー3.0という「お商売の原点回帰」

はい、ではここでもう一度、
さきほどのデザイナー2.0の図を出しますね。

日芸2018-20

横断的なスキルを持つ人たち、すごいよねというお話をしました。

ではYOKAさんは、MINIMALIGHTさんは、NATIONAL DEPARTさん(そしてすみません、僕たちTENTもそこに入れてください)は何をしているのか。


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「横断どころじゃないじゃん!越境どころじゃないじゃん!」って僕は思いますよ。

何もかもを、一人でやっている。自発的に!

そんな動きをしている人たちを、ここでは仮にデザイナー3.0と名付けちゃおうと思います。(本当すみません、勝手にカテゴライズして。僕の勝手な妄想、ポジショントークです。)

さて、ここまでデザイナー1.0、2.0、3.0と、順を追って見てきましたが、
デザイナー3.0が最新であり優れていると言いたいわけでは全くないんです。

そもそも3.0の例に挙げた人たちは、デザイナーなんでしょうか。
(きっと例に挙げた人たちも、デザイナー3.0なんて呼ばれたくないはず。)

デザイナーっていうと「依頼されたものをこなすのがプロ」と定義する人もいるかもしれません。

そういう目線でいうと、もはや彼らはデザイナーでもなくて。
むしろ「商売人」なのかもしれません。

職業が細分化される前の、根源的な「お商売」というものの自然な形なのかもしれません。

でもだからこそ、僕は言いたいんです。
「デザイナーになりたい」「デザイナーに憧れてます」「デザイナーとしてどうあるべきか」そういう若い人たち、好きです、が!

すでにその時点で囚われてませんか?狭くないですか?

楽しく、生きていく。そのための方法って、たくさんありませんか?
商売人というクリエイティビティ。格好良くないですか?




うおお、長くなってしまった!

この続きは、またそのうち。

続きがどうしても気になる方は、この動画をチェックだ!

全ての動画はこちらから
 ↓

追記

後日に追加したこちらの記事にて、3.0の話をもう一歩踏み出した図にしてます。

「越境どころか軸が違った」

https://note.com/aoki_tent/n/ne53788d60f9c


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