さつき雨
5月。雨。風は強く、夜は2時。
「ねえ、あおい。起きてる??あおいー」
「...ん...ん?」
隣で寝ていた彼女が言った。
「私が死ぬって言ったらどうする?」
「自分でってこと?」
「そう」
「死にたいの?」
「もしも、だよ」
「……第一発見者にはなりたくないかな」
一瞬の沈黙の後、「ふふっ」と彼女は笑った。暗くて顔は見えないし。
「君は俺にどうして欲しいの?」
「……第一発見者にはしないであげる。だからさ・・・」
「...いいよ」
「……なんで?」
「君とならいいかなって」
暗くてよくわからないけれど、多分、君は僕の方を向いた。だって、声の向きが変わったから。
「なんで?」
「わからない。でも、どうせ死ぬなら、それがいい」
本音だ。
繋いだ手に力が入る。
生活費になります。食費。育ち盛りゆえ。。