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【Sansanが求めるCS】顧客の習慣を変える「お母さん力」

Sansan株式会社の青木です。
Contract Oneという契約領域のDXを推進するサービスでカスタマーサクセスのマネジャーをしています。

Contract Oneでは最近PMFを達成したため、採用を加速しており、採用強化施策の一環で10月の1ヶ月間、PMF Anniversary グロース始動 noteリレーとして、Contract Oneのメンバーみんなでnoteを繋ぎます。
1日目は事業責任者兼プロダクトマネジャーの尾花が、Sansan流のPMFに関する記事を書いています。
2日目は、Sansanが求めるCSというテーマです。


自己紹介

私はSansanに新卒で入社して今年で5年目ですが、3つのプロダクトでCSを経験しています。
ありがたいことに3種類以上のプロダクトを経験しているCSは弊社の中でもごくわずかです。

セミナー管理サービス Seminar One
・CS企画として、ヘルススコアの設計、アップデート情報や活用ナレッジのデリバリーを担当しました。

営業DXサービス Sansan
・中小企業向けにロータッチとテックタッチで導入〜活用フェーズの支援に従事しました。

契約データベース Contract One
・規模問わず、導入〜活用支援、契約更新、アップセル、解約阻止等を担当。
・現在はマネジャーとして、組織の戦略立案、採用、トップリレーションに向き合っています。

CSのミッションは顧客の習慣を変えること

CSの業務は多岐に渡ります。
オンボーディング(導入支援)、アダプション(活用支援)、契約更新マネジメント、解約阻止、アップセル提案etc.
特に新規事業のCSをしていると、上記に加えてプロダクトサイドなどの近接部門との連携や、新規営業のクロージング同席も必要となります。
日々の業務に忙殺されてしまい、顧客に向き合えているか不安。何から手をつければ良いのか。という話はSaaSのCSコミュニティでもよく聞きます。
ただ、CSのミッションはオンボーディングを成功させることでも、解約を阻止することでもありません。
私はCSのミッションは「顧客の習慣を変えること」だと考えています。

こちらはContract Oneのオンボーディングで利用している資料です。
SaaSプロダクトは魔法の杖ではないので、導入するだけで課題を解決して効果が出る(=サクセス)というわけではありません。
導入目的に沿って現場に運用を落とし込み、日々の現場の行動を変化させることで初めてサクセスが生まれ始めます。
それをリードすることこそがCSの役目なのです。


〜よもやま話〜
ちなみに、Contract Oneのタグラインである「現場の習慣を変える、契約データベース」の「習慣を変える」というのはCSのこの資料がヒントになっています。
このタグラインに込めた想いやSansan流タグラインの作り方は以下のnoteに詳しくまとめていますので興味あればご覧ください!

「契約書は訴訟や裁判になった時に見られるもの」「契約書は法務だけが見るもの」という認識ではなく、現場の日々の日常において正しい契約の理解と活用が進むこと。 その礎となる契約書のデータベース化や、契約データベースの検索・参照が習慣化すること。 契約管理に日々向き合っている担当者、そして日々契約と奮闘する現場の習慣を変えるプロダクトこそが、求められているのではないかと考えました。

MVV不要論を一蹴するSansan流タグラインの作り方

CSに必要なのはお母さん力

「習慣を変える」ためにCSが必要なスキルを、Sansanでは「お母さん力」と呼んでいます。
※この「お母さん力」はSansanのカスタマーサクセス ストラテジストである山田が提唱しています。

さて、CS活動に置き換えた「お母さん力」を説明するにあたって、まずはContract Oneの導入支援でどんなことが起こっているかご説明します。

このように顧客からすると、自分たちがお金を払って導入したのだから好きに使わせて欲しいと思っているわけですが、CS担当からすると、早めに顧客の認識を変えて軌道修正しないと導入効果が出ない…と困った状況になるわけです。

Contract Oneのタグラインである「現場の習慣を変える」という観点に立ち返ると、契約書を部門に閉じた状態では属人的な管理になったままとなり、導入効果が半減してしまうのです。
これまでの習慣のまま、部門ごとにキャビネットで区切られていたかのようにクラウド上でも部門ごとに管理したいと言う思いになってしまいがちですが、多くの契約書は全社公開しても良いものがほとんどです。
もちろん、人事系の契約や新規事業の契約など種類によっては部門で区切る必要がありますので、そこは柔軟に壁を立てることもできます。
実際、弊社内でもContract Oneを利用していますが、9割近くの契約書が全社公開の状態になっています。

さて、話を戻します。 顧客がContract Oneの世界線を外れ、軌道修正が必要な状態になっている。そんな時こそ「お母さん力」を発揮する時です。

まとめると、お母さん力というのは次のような感覚です。

CSに求められるお母さん力
CSとして経験を積むことで、「こうなるだろうな」と先の展開が見えるようになります。
そして、将来のことを考えると、顧客に言わないままにしておくことが結果的に相手にとって損失になります。
そのため、「相手が良いと言ってるから、まあいいか」と済ませれません。
相手にとって最善の選択を導く一方で、相手の意見や考えを尊重し、受け入れる姿勢を見せることも重要です。
さまざまな工夫を凝らし、「心から納得し理解した」と感じてもらうこともポイントです。
そして、時が経ってから「あの時、言ってくれてよかった」と感謝されることもあるかもしれません。

今の顧客満足(顧客が良いと思っている状態)ではなく、将来的に顧客がどうなっているのが理想かまで想像し、顧客の利益を最大化させる。
それが、カスタマーサクセスなのです。

新規事業をドライブするためには社内でもお母さんになる

もしこのnoteを読んでいる方がCSとして新規事業を推進する立場の方の場合、社内でもこのお母さん力を発揮することをお勧めします。
新規事業のCSは特にプロダクトとかなり近い距離で事業をドライブさせていくことが求められます。
なぜなら常に顧客と接していて最もユーザーの現場の解像度が高いため、マーケットとプロダクトのギャップを埋めることを求められるからです。

実際に、Contract Oneの立ち上げフェーズでCSが意識していたことを紹介します。
お母さん力の新規事業バージョンです。

新規事業求められるお母さん力
CSとして経験を積むことで、「これで炎上する」「これでユーザビリティが向上する」といったことが見えてきます。
事業の将来を考えると、顧客の声(ポジティブもネガティブも)を社内で共有しないのは、ユーザーにも自分たちにも損です。
だからこそ、CSで顧客の声(実態)を止めるのではなく、社内にしっかり伝えることが大事です。
家の外の出来事を事細かく報告するお母さんの如く、顧客の実態を社内で積極的に発信し、プロダクトマネージャーには要望だけでなく、開発の優先順位についても提案し、事業と顧客の利益(将来)を最大化します。
そして、リリース後の感謝の声も、フロントで独占せず、開発チームに還元することも忘れてはいけません。

リリースしたてのプロダクトは、やりたいこととできることのギャップが生じてしてしまうことも多々あるかと思います。
特にCSはその矢面に立つことになるので苦しい場面も多いです。
複数の企業から同じ要望ばかりもらうシーンあるでしょう。
ただ、そんな時こそ顧客の実態を社内で発信し続けることで必ずプロダクトが磨かれていきます。

Contract OneもPMFまで3年弱苦しい局面でしたが、今ではプロダクトが受注をリードするまでに成長しました。
自分たちの事業の可能性を信じてCSから事業を牽引しましょう!

Contract Oneは採用加速しています!

冒頭にもお伝えしましたが、PMFを達成したContract Oneはいま、事業と組織の急拡大を目指しています。
グロースフェーズの事業と一緒にワクワクしながら成長したい方がいらっしゃいましたら気軽にお声がけ下さい!

PMF達成記念noteリレー、次回の投稿はContract OneのPMMとして入社し、現在はエンタープライズ領域の営業組織立ち上げに向き合う小原にバトンを渡します!お楽しみに!

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