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#07【ラリーカー模型 製作の引き出し】パンクしたタイヤ② 追記と小考

前回の記事を書いた後、キットのハセガワ 1/24 トヨタ カローラWRC 1998年サファリ仕様が完成しましたので、追加説明と雑感を少々。

まず、タイヤの固定位置ですが、予定通り、リアの燃料タンクの上に置きました。キットにはスペアタイヤが付属していないので自作したわけですが、冒頭の写真のように、実際には、リアスポイラーとデカールが邪魔となり、リアウインドウからあまり見えません……。
ないよりは後ろの見どころ、アクセントになりますね(後述)。

当然ながら実車ではタイヤはベルトで固定されています。それに倣って、ハセガワのキット付嘱のシートベルト用フィルムと金具、さらにフィニッシャーズの金具も流用しました。
リアストラット(ダンパーの付け根部分)にバーがあり、そこと燃料タンクの後端をベルトで結ぶわけですが、前側のバーからタイヤがずり落ちてしまいます。
実車では、バーから燃料タンク後端にかけて、タイヤを載せるステーが2本付いています(これにも2種が確認できる)。今回は、L字型に曲げた0.2mmの銅板を使い、タイヤが落ちないように固定具としました。
(ベルトは、サファリ仕様ではY字に3点で固定されているようですが、通常仕様のように直線に2点で固定しました)

うっすら土埃を馴染ませたつもり

ウェザリングしたタイヤがただ固定されているだけでは、見栄えとしては浮いてしまいます。そこで、周りもウェザリングタミヤ エナメル塗料のデザートイエローをエアブラシ。土埃をイメージしました。
エナメル塗料にしたのは、カーモデルのウェザリングがほぼ初めてだったため、万一ミスしても拭き取れるからです。エアブラシ塗装の扱いやすさを考えて、希釈にはガイアノーツの速乾性エナメル溶剤を使ってみました。
しかしミストが均一というか細かくて、効果はイマイチ。課題が残りました。薄めて筆でランダムにスポッティングしたほうがリアルになるかもしれません。

iPhoneで撮ると土埃が見やすい
こちらは一眼レフ。ドアを開けるとペダルもよく見える

このタイヤの汚れに伴い、当初はボディもウェザリングしようと考えていました。しかし研ぎ出しも新しい方法で練習したこと、時間がなかったことから、とりあえずタイヤ回りとシートやペダル回り、そして左右の足元のロールケージだけ少し汚すことにしました。気が向いたら外装も汚せばよいという算段です。

写真映えはしないが展示会向き? 筆者的にはセガラリー2ぽくて満足
97年仕様の実車。右後方のウインドウから。やっぱり見えにくい(東京・晴海、トヨタのメガウェブにて撮影)

さて、冒頭でも、このタイヤ周りはリアウインドウから見えづらいと書きました。
しかし、これはリアルさに対する考え方なのですが、「しかるべきところにそれがある」という表現として、とくに固定用のベルトは、目立つかどうかとは別として、「ある」というだけで重要な気がするのです。
普通、車の中にタイヤが載せてあるといっても、固定されてない、ということはない。ここでタイヤだけ置いてもリアル感としてはアップしないのではないか……。

この感覚は、おそらく戦車模型のOVM、例えばⅣ号戦車のスコップやジャッキに固定用金具(あるいは最低限のモールド)がないとしっくりこないのと似ているのではないか? と思いながら、下のリンクに貼った本を棚から取ってきたのでした。
そして、この感覚は、別に何もディテールアップしなくていいんじゃない? という感覚とも両立することを、あえて言い添えておきましょう。

参考資料
『ラリーエクスプレス』山海堂、1998年、1999年各誌
『タミヤニュース』Vol.357 1999年2月号。カローラWRCの実車写真が掲載

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