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小説・バニラアイス

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新幹線の販売員をしているわたし。 いつも同じ時間の同じ車両に乗る、スーツの彼は、バニラアイスがお気に入り。でも彼が、どこの誰かもわからない。 どこの誰かもわからないネットの世界は…
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#マジック

バニラアイス・3・彼のマジック

バニラアイス・3・彼のマジック

新幹線の車内で販売の仕事をしていると、いろいろなことがある。
嫌なことが多いと、辞めていく子が多い。

「先輩は平気なのかもしれませんが、私には無理です!」

そういって、辞めていった後輩の顔は今でも忘れられない。

だって、平気だから続けているわけじゃない。
辞めたって、また別の嫌なことをしなきゃいけないだけ。

それなら、笑ってやりすごして、適当に流して忘れてしまえばいい。
…なんて、忘れられ

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