【不安と葛藤の日々】昨夜流した墨色の涙
今日はもう何も言葉を載せるつもりはないから、これは明日載せよう。みんなが見てるのは今日だから、これは昨日書いたものだよ。ややこしいね。
出先で離人症のような状態と、不安症の症状が何度も出て、薬を持ってきていなかったから危ない、帰らなきゃ、と思ったが落ち着きたかったのでいつものスパ施設に行くことにした。
温泉に入って足を伸ばして、ぼうっと考え事をししているようで何も考えてないようで、そんな時間を過ごした。
あの人はいいなぁ、夢掴んで仲間がいて幸せそうで。私は1年前もこうやって、辛くなるとここに来て心を落ち着かせてた。どんどんと前に進んでいく姿が、隣では見れないけどきっとかっこいいんだろう、羨ましい、羨ましいな。
そんなことを思った。
ラブイズオーバーみたいに「きっとあんたにお似合いの人がいる、元気でいてね」って、言って私から追い出したらよかったのに。
どうしたって離れたくなくて、そんな私を見てつらかったのか、あの人もそれに応えた、2ヶ月ほど。だけど仕事のため、やっぱり最後は手を伸ばす私を押しのけて出て行った
今、幸せなのかな。
幸せでいてほしい、
でも、そうだったら羨ましい、ずるい、そんな感情が入り混じってうまく言葉に表せない。
あの人だって、同じ気持ちでいた時間があるのに、同じように苦しくならないのなんて、ずるくてたまらないでしょう、そんなの。
幸せに生きていて欲しいけど、素直には言えない。
綺麗な言葉だけではあの人を思い返すことはできない。
綺麗事ではないほど汚くて情けなくて、惨めで、でも、それでも一年たってもまだ忘れられないのだからどうしようもない、どうしようもないのよ。
言葉にできない気持ちはぐるぐると、フラッシュバックからきていた嫌な感情と、ちらちらと見えては墨汁をこぼしていくように、脳内に浮かぶ。
灰色の世界に、ぽとりぽとりと、黒の涙が滴り落ちる。
これはなんの感情なのか、憎悪なのかあの人のことを想ってるのか、全く言葉に表せないから家に着いたらすぐに段ボールをベランダから出してきて、絵の具を出して、水彩用のスケッチブックを開いた。
言葉にできないから、見えてる色を描こうと思った。
エプロンをつけて、制作動画を撮ってみようと、ためしにスマホをセットして、見えたものを模写した。青や、茶色の絵の具も出してみたのに、使わなかった。
黒と、白でつくる灰色と墨汁が飛び散る世界が見えて、他の色が見えなかったから、使えなかった。
今書き終わって少し落ち着いたから、横になってこれを打っている。指先に黒い絵の具が残っていて、飛び散るように黒がついている指を眺めながら打っている。
世界は広くて、人もたくさんだ。
街にいてもたくさんの人とすれ違う。いろんな人がいる、病院や、スパにもいろんな人がいた。と思う。
こんなにたくさん世界があって、人の輪も広げていけるはずなのに、どうしてたった一人のいなくなった人のことばかり、いつまでも考えるんだろう。
こんなにがむしゃらに生きていて、いろんな人に助けてもらって、癒してもらって、それなのに今の私の生きる希望のなかに、「いつかまた会えるかもしれない」なんて、夢物語みたいなものを支えのひとつにしている。
ばかばかしくて、いやになる。
雨ばかり降っていた空は、ずっと晴れていて、ずっと太陽が見えていて、太陽は暑すぎて眩しすぎて避けるように生きてしまう。
そんな夏は、嫌いだ。
本当は、向日葵のように太陽を追いかけていきたいのに。まるで別の葵のように、陰気くさい自分と向き合う毎日だ。
いつの日か、心から幸せだと思う日が来るのだろうか。
生きててよかったと思える日が、来るのだろうか。
頭の中で墨汁をこぼしたあの黒い涙みたいに、本当の涙が枕を滲ませた。もう、泣いているばかりの自分には飽き飽きだ。
泣いても泣いても涙は枯れない、一体なんのために涙は流れるのだろう。いつまで流せば止まるのだろう。
ひとりはもういやだ。
人肌に触れて、眠れるまで、頭を撫でて欲しい、誰かに。誰かって誰だろう、わからない。
わからないことが多すぎる、いつまで生きてられるか、生きる希望を持っていられるか、本当はわからない。
山口葵
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