ミャンマーの豚の脳みそ
旅先での忘れられない味は、たいていその土地で生きる誰かとセットになっている。
19歳の夏、私はバンコクのスワンナプーム空港でヤンゴン行きのフライトを待っていた。
機体トラブルで搭乗が伸びに伸びていて、搭乗ゲートで待っている乗客たちはどんよりとしていた。たまに「あと1時間」と期待を抱かせるアナウンスがあり、そのたびに待っている乗客たちの間ですこし生気が戻ったものの、結局5時間ほど遅れた。
待っているあいだに、近くに座っていた中華系ミャンマー人のチョウナイさんという人と知り合った。日本で働いていたことがあり、日本語がうまかった。
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