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派遣王女☆ウルスラ / 第18話(3,503文字)

■第18話■


人型ロボット・カテリオンZ!



扉絵


1頁 キヨさんと仁義


 

ボッチとルーシーは
「手前、旅中のモノでござんす。ぜひともお兄(あに)いさんからおひけえくだすって…」
ドラゴンゾンビは
「ありがとうございます。再三のお言葉、逆意とは心得ますが、これにて控えさせていだだきます」

カテリーナは
「こ今回はこんな感じで進めていくの?」

「そうだよ〜」
「どうやら、そうみたいだな」
「そんな感じで進んでいくわよ〜」
「では、よろしくであります!」

カフカが置いていった立体ホログラムに映る
ウルスラ、カフカ、アリス、ドワーノフは手をふる
シータ龍妃も手をふっている

ズコーッ!!

カテリーナはズッコケる

ボッチとルーシーとドラゴンゾンビは
「では、一緒におひけえなすって…」
「これにて仁義を切らせていただきます」



2頁 カテリーナズ・ムーヴィングハイツ


地上の基地

カテリーナはボッチとルーシーとキヨさんに
「はいはいはい、みなさん!!ちゅうも〜く!!」

ボッチはルーシーに耳打ちをする
「嬢、はーいみなさんテイク3ですな…」


カテリーナは持っていたリモコンをハイツ・カテリーナに向ける

ポチッ!!

するとハイツ・カテリーナは音をたて巨大人型戦闘ロボットに変貌する

ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャンッ!!

「おおッ!!」

ボッチとルーシーとキヨさんは驚く




3頁 スーパーロボット・カテリオンZ!




カテリーナは巨大化した人型ロボットを指さし
「これは私が開発した巨大人型戦闘ロボット、カテリオンZエェッッ!!」


「おおッ!!」




4頁 ささ、おひけえなすってZエェッ!





「おおッ!!」
とボッチとルーシーとキヨさん三人は驚く
カテリーナは胸をはって話をつづける
「戦車などはは戦争が終わればお役御免だけれど巨大人型ロボットカテリオンZはそうではない」
カテリーナはさけぶ
「人型という器用さをフルに生かして」
「クレーンや重機の代わりができるのだ!」
3人はうなずく
「フムフム」
さらにカテリーナは自慢げに
「人間や重機が入れない危険な地形にトライすることが可能!!」
「おおッ!!」
「 仕事する場を選ばない、さらに災害などの復興に役に立つ!!」
「なるほど〜ッ!!」
「スーパーな仕様の人型ロボットカテリオンZなのであ〜るッ!!」
「さすがだ〜!!」

カテリオンZはガニ股で後ろに短刀を構え
「手前、旅中のモノでござんす。ぜひともお兄(あに)いさんからおひけえくだすって…」
ドラゴンゾンビは
「私の姓は(聖闘士)セイント、名は(清)キヨシ…」
「アッシの名前はヒト呼んで…」
「フーテンのキヨさんと申します」

ズコーッ!!




5頁 カテリオンZに乗りこむZエェッ!




太陽は眩しい
ボッチは額に手をかざして仁王立ちする巨大なカテリオンZを見あげる。
「それにしても巨大ですなあ」
サングラスをかけたカテリーナは計算機をだして
「ええ、50メートルプールを縦にしたくらいだから…」
ボッチは
「50メートル強、ですな」
カテリーナは
「そのとおりだぁあ…Zエェッ!!」
ボッチはそれを無視して
「では乗り込みましょう!」
カテリーナは人差し指と中指を宇宙へかざして
「Zエェッ!!」
というと
「Zエェッ!!」
「Zエェッ!!」
とルーシーとキヨさんも人差し指と中指を宇宙へかざす

ズコーッ!!

カテリーナはリモコンを操作すると
カテリオンZは片膝をつき、右手を地面に差しだした

カテリーナは手のひらに乗って
「さ、みんな足元気をつけてね」
ボッチはカテリオンZの手首から肘、腕、肩を見て
それから首までをゆっくり舐めるように見あげる

ズコーッ!!

ズッコケる

ボッチはカテリオンZの後頭部を指さして
「…この階段を登っていくんですね」
カテリオンZの手首から肘の外側にかけて、それから肩から首の根元まで階段がついている。その上はハシゴだ。後頭部のところに扉が小さく見える
「初めて搭乗者するニューパイロットはカテリオンZに敬意を表してこういう形で乗るのよ」
とカテリーナはカテリオンZの全身に手を拡げる

「トホホ……」
ボッチとルーシーはカテリオンZの肘階段を登り始める




6頁 キヨさんはVIPルームへ




カテリーナはキヨさんを特別ルームへ案内する
ふたりはカテリオンZの手のひらに乗ったまま上がっていく

「がんばってぇ〜!!」
カテリーナとキヨさんはボッチとルーシー手をふる
カテリーナは八つに割れた腹筋のひとつのドアを開けて腹部に入る
「こっちはレセプションルーム兼シェルターになってます」
「キヨさんゆっくりしていってね」
キヨさんは
「いや、カテさん」
「どうしたのキヨさん?」
「このあっしが龍王城に案内する手筈でございやして…」
カテリーナは立体ホログラムをだして、それの範囲を拡大させる
半径数百キロはあろうかという地上地下を含めた立体地形がうつしだされる。それは地下へ地下へと潜っていく巨大なアリの巣のような迷路になっている
「こ、これは……」
キヨさんは驚く
「位置アプリよ」
カテリーナはいう
「いちあぷりよ…」
キヨさんはくりかえす
カテリーナは話をする
「探査チームのカフカが出発の勢いで置いてっちゃったのよ」
カテリーナは笑って
「キヨさん…今回は私たちが道中あなたを接待するわ…」
「カテさん、なぜまた…あっしにそんな優しいことを!!」

カテリーナは、ダイナソー・キャンプの話を語り始める


7章 ダイナソー・キャンプの思い出


下手から紙芝居屋のスノーデル国王の登場
ぺこりと頭を下げて紙芝居を始める

昔むかし、グレナダ王国に王女カテリーナがいました
ある日、ドワーノフ国王一家はキャンプにでかけました
密林の湖でドワーノフとカテリーナがボートで釣りを楽しんでいると
湖畔から王妃のさけびが聞こえました
急いで駆けつけると王妃は巨象に踏みつけられ死んでいました
死んだ王妃は、大きな卵を胸に抱えていました
ドワーノフ国王とカテリーナ王女は嘆き、悲しみました
ドワーノフ国王はその卵は絶滅したはずの恐竜の卵だと突きとめました
それからドワーノフ国王は孵卵器を開発しました
卵が孵ると恐竜の赤ん坊はダイナソーと名づけられました
カテリーナとダイナソーはいつでもどこでも一緒でした
ダイナソーが成長したある日
ガルド軍がグレナダ王国に攻めてきました
ガルド軍は大軍で攻めてきて毒ガスや化学兵器をばら撒きました
ドワーノフ国王は地上を諦めて地下に建設した要塞に逃げこみました
成長したダイナソーは地下宮殿に入ることはできませんでした
ドワーノフ国王はダイナソーをサイボーグに改造しました
それがグレナダ国の初代戦闘用ロボットカテリオン試作Aでした
ですがほとんど生身の恐竜のダイナソーはガルド軍の戦車の火炎放射や爆撃機からのミサイルにやられてしまいました
ダイナソーはその巨体を張って地下宮殿への入り口を守き抜きました
ですがとうとう力尽きて倒れてしまいました
ダイナソーの皮は朽ち、骨となったそこは、いまでは《ダイナソー・キャンプ=ウルスラたちが国を復興させた約束の地》と名を変えて、観光立国グレナダ王国の名跡のひとつに数えられています

スノーデル国王はぺこりと頭を下げて上手の袖へ去っていく



8章 かたじけないでガス!!



カテリーナはドラゴンゾンビのその顔に
死力を尽きて砂漠に倒れたダイナソーを重ねる
「あなた毎回、いろんな人を龍王城まで引き連れて…」

キヨさんは涙をながす
カテリーナはキヨさんを抱きしめて
「お役目、ほんとうにご苦労さん」
「疲れたでしょう…今回はゆっくりと休んでください」
キヨさんは膝から崩れ落ち
「カテさん…かたじけないでガス!!」
「無法者のキヨ、このご恩は…」

パシッ!!

カテリーナはキヨさんのほほ骨をぶつ
「ご恩なんて、返さなくていいのッ!!」
「しっかりと最後まで生きなさいッ!!」
「それが私たちへの最高のプレゼントなんだから」

鼻水を垂らすキヨさんは、眼窩からあふれでる涙を腕でふく
「…カテさん、こんなアッシの意固地を…」
「だれにも見られぬように気配りまでしてもらって……」

「話おわりました?」
大型ディスプレイにボッチとルーシーが映っている

ズコーッ!!


9章 次回はキヨさんZエェッ!


カテリーナは部屋の奥を指さす
キヨさんは驚き
「あ、あれは手術台でゲスすか?」

「えっへん!」
カテリーナは自慢げに
「このカテリオンZはなんでもあるんだから」

ウィーンと機械音がする

「魔改造もできるわ」
カテリーナは目をきらりと光らせ
「キヨさん、さあお眠りなさい!」
「次にあなたが目覚めるときはもうキヨさんじゃない!!」
キヨさんは刮目する
カテリーナはさけぶ
「スーパーロボットキヨZ になってるはずだわ!!」

ズコーッ!!


立体ホログラムにウルスラが映る

わくわくッ!!


第19話へつづく


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