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タダでやらせてくれる女はなぜ重要なのか?
399文字・15min
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二十年来、村上龍の小説やエッセイを読んで、恥ずかしながら彼のいう「タダでやらせる女は大切にしなければならない」の一文が理解できなかった。先ほど、すとん。腑に落ちた。
村上龍はデビュー以来「タダでやらせてくれる女は大切にすべきだ」と書いている。この一文は豊かだ。含みがある。ぼくはこの一文を二十年以上、考えてきた。「タダでやらせてくれる」というのは、彼女と妻とセフレとただの淫乱や互いの状況の違いなのか? いやSMクラブや娼婦や職業の違いでもない。ニンフォマニアや商売女や逆ヤリモク女などの利害の違いでもない。自分が女を求めるときに、いつ何時であれ、無言で自分を受け入れてくれる女だ。
人生で、この一文をひりだした作家村上龍はその点では幸せだった。が同時に彼は「タダでやらせてくれる女とは結ばれない」のを知っている。人生をふり返ると「あの女はタダでやらせてくれた」というのがいる。もっと大切に扱えば良かった。
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