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「クマの妻」 172文字小説

172文字・5分

ぼくは妻にキスをした。毛が、邪魔をして届かなかった。
夜の営みでは妻はなぜか、陰毛はなかった。
「どうして?」
とぼくは訊ねた。
「永久脱毛よ」
妻はソッポを向いて寝た。
ぼくは妻を後ろから抱く。あたたかい。
ぼくはクマの早苗ちゃんがいい。大好きだ。
ぎゅっとすると早苗ちゃんはイビキをかき始めた。
ぼくは前にまわりこんで強めにキスをした。
ゴワゴワしたキスだった。


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