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第10回日本一短い自分史 / テーマ「継続は力なり」 

「第10回日本一短い自分史」募集開始!

800字で人生を振り返る、日本一短い自分史を今年も開催!ことば蔵の開館10周年を記念して、今回のテーマは「継続は力なり」です。大賞受賞作品は、ことば蔵が発行する、伊丹公論復刊33号に全文を掲載し、図書カード5,000円分を進呈。金秀作受賞作品は、図書カード1,000円分を進呈。テーマにまつわるあなたの思い出や出来事を、ぜひご応募ください。

元日から応募だ。まずは五千円からだ。よし書くぞ。

タイトル
「成功の鍵は成功するまで失敗する」

北関東に生まれ、四歳のころ庭で祖母を折檻する祖父は地元の市議になるが連帯保証人により五千万の借金を。家族で地上げ屋に怯える日々だった。
ぼくは小中高と努力をせず恋も隣にいた女子で満たす。好きで始めたサッカーも限界がわかると興味は衰えた。絵と漫画を描くのは好きだった。日々ノートをひろげ空想をかく。
高校ではなぜか芸大の合格率は東大のそれよりも難関だと思いこんでいて一浪して文学部へと進む。予備校の自習室ではいつも居眠り。日々よだれでノートに書いた英単語と時計じかけの空想都市をぬらす。
上京し初めてみた舞台に感激し学生課の窓口でサークル名簿をめくって劇団に入団。先輩たちは就職し自ら劇団を立ちあげるも大コケし、三百万を築地市場で返す。うつが発症し帰郷。実家でノートに空想事件をかく。
パチンコの金で駅前留学をして学友の誘いで中国へ旅行。ツアコンに彼女を紹介され北京へ渡る。彼女に渡された金で語学学校にいくと半年で喋れるようになった。彼女は韓国人にかわり日本語教師と翻訳業をやる。
結婚をして南京で現地法人の課長をしながら日々デスクで夢日記をかく。娘をもうけ二年で離婚。田舎に戻って地元のイタ飯屋で皿洗い。「料理留学あります」の看板に釣られ、2010年イタリアに渡る。
海外の空気に触れうつは寛解どころか日本人から虐めにあい悪化する。心の拠り所はペンと紙。架空の象が山を踏んで歩く。帰国前に北イタリアで発狂し強制入院の後に強制送還。
盆栽屋で業界のドンの内弟子になるも破門され、伝をたよって京都の禅寺に駆けこむも出禁に。禅寺の裏で女に溺れる。女狂いの果てに府立病院にて発狂。上京警察署の拘置場を経て強制入院。病院内で書いた小説は小さな文学賞を得る。
いまは機械仕掛けの空挺都市や時空をねじまげるグリフォンを書いている。
「必ず成功する秘訣知ってる? 成功するまで失敗しつづけることだ」
劇団をともに旗揚げした彼の言葉を思いだす。
(799文字)



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