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400字日記(リニューアル版)

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400字日記をリニューアル 日記に通底するテーマ 「すべては作家人生のために」 400字に入れること➡︎日々に見た感じたもの(具象) 四百字をどのような形式で見せるか? ➡︎「第…
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2023年9月の記事一覧

「ハンチバック」市川 沙央 / 読書メモ

2289文字・120min サクッと(気づいたことだけを)書きます。 簡潔な物語構成だ。四場しかなかった。 単純に「起・承・転・結」で構成。 起 冒頭(プロローグ):アウトソーシングのエロ記事。 ベッドから起き上がる=「モチーフ」「舞台」「テーマ」がセットアップされる。 モチーフ:自分の境遇(ハンチバック・背中が曲がるせむし病) 舞台:介護ホーム(施設は親の遺産=自分は金持ち) テーマ:身障者の私でも子どもを宿して堕胎したい(歪んだ目標) 承 出会い☞グルー

小説、妻のクマ、第2話「カフェデート」

800文字・60min 「今晩、おねがいできるかな」 席に座るなり僕は妻に訊く。 「なんのこと? 」 「なにをって、ほらあれだよ。アレ」 案内された席はレジ横で広い。向かいに座る妻との距離はやや、遠い。妻はふるびた革のポシェットを脇に置いた。 「ランチじゃないのに待ったね。あそうか。今日は連休の初日か」 妻は笑う。快活に。 「今晩の件。おねがい。できますかね? 」 また小さい声で妻に言う。夜の話をするには席の間隔は、やはり遠い。 今日の妻の服装はツーピース

「今日の三号法廷」

1083文字・15min 前橋市立図書館で書いていて、ちょいと散歩することになった。 残暑が暑い。と言う表現は二重表現なのか。という思索に耽りながらふらりと前橋地方裁判所に入った。 一階の受付に行くと「今日はこの三件ですね」と言う気さくな感じで受付の人は三つほどお品書きを出してきた。みな軽い刑事事件だった。 「これ、三号法廷なら13時15分から13時30分までだよ。判決文を読むだけだから10分で終わるよ」 「裁判の傍聴は初めてなので、初心者にはいいですかね」 「そ

妄想日記「K子。僕の言うことを聞いておくれよ」

1584文字・45min 先月まで二ヶ月かけてマッチングアプリで三、四十人の女とやり取りをした。そのなかで僕はK子に決めた。ディズニーランドの写メがインスタ映えして素敵だった。ポチャとあったが気にしなかった。 K子に決めると、他の女には「アプリやめます。あなたに良いご縁を」とコピペを送ってアカウントを停止した。それ以外に、二人の女と寝た。二人ともポチャだった。K子と寝る前提でのお試しだった。我ながらひどい男だと思う。ひとりは登戸の保育士のミケポだ。マンコが小便臭い女だった

「クマの妻」 172文字小説

172文字・5分 ぼくは妻にキスをした。毛が、邪魔をして届かなかった。 夜の営みでは妻はなぜか、陰毛はなかった。 「どうして?」 とぼくは訊ねた。 「永久脱毛よ」 妻はソッポを向いて寝た。 ぼくは妻を後ろから抱く。あたたかい。 ぼくはクマの早苗ちゃんがいい。大好きだ。 ぎゅっとすると早苗ちゃんはイビキをかき始めた。 ぼくは前にまわりこんで強めにキスをした。 ゴワゴワしたキスだった。