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ファンにとって「推し」は投影・所有|Vtuber・黛灰×精神科医・名越康文の対談の感想②

先月行われた、Vtuber・黛灰さん(以降:まゆ)と、精神科医・名越康文さんの対談配信。
その中で「自分をどう保つか」という話から「推し活」や「同担拒否」などかなり深い話になりました。

今の自分に結構あてはまるなと思ったので、まとめてみることにします。

※ややメタ発言もでてくるので、苦手な方は読まないでください。

▼動画アーカイブはこちら

https://www.youtube.com/watch?v=y7vX3Km396U

どう「自分を持つ」のが大事か

まゆの質問は「Vtuberとして活動していると、リスナーから様々な意見が届き、摩耗する(※おそらく心が磨り減る的な意味)瞬間がある。その中でどう自分を持つのが大事なのか」という内容でした。

名越先生の返答は2つ。

①Vtuberは「投影」されやすい存在

その理由は以下。
・内面と外見が一致しているから(生身の人間はある程度違う)
・大きなトラウマを持っている人は投影しがち(親のように見るなど)
・自分の欠けている部分、悲しい・孤独な部分、もっと伸ばしたい部分を  各ライバーに「投影」して、そこから物を言っている。

そのため、相手が自分に「投影」してくることを意識しておくことが、「自分を持つ」ためには必要とのこと。
(半分、彼らが自己分析している場合もある)

まゆは、Vtuberは「会話できる」アニメのキャラクターみたい(と言う人がいる)だから、投影が発生しやすいのでは?と返していました。


ちょっと「投影」が何なのかわからず、色々調べたのですが、
2人のいう「投影」は自己投影・他者投影かな?と思いました。

自己投影は、「自分だったらこう考えるから、相手もきっとそうだ」
他者投影は、「親ならこう考えるはず」と気持ちを押し付ける防衛行為のようです。

なので例えば、杞憂民の多くは「自分だったらこう思うから…」という気持ちからコメントをしてしまう。または相手がミスをしたことにより、自分もミスをしたような気持ちになるから非難してしまうなど。

※なお、精神科医の益田先生の動画では、「投影」は「例えば、怒っているのは自分なんだけど、相手が怒っているように感じてしまうこと」と定義されています。「転移」のほうが2人の話に近いのかなーという気がする。

Vtuberは見た目と中身が一致した「完成された人間」なので、ファンは憧れるし、そこから「こういう人が親だったらよかったのに」みたいなところから派生してる場合があるということなのかな?と思いました。

なので、リスナー側ができることとしたら「もしかしたら自分は今、推しのためにコメントしたのではなく、自分を守るためにコメントしたのかもしれない」と、一度冷静になることなのかもしれません。
知らないうちに相手を傷つけてしまわないようにしなきゃなと思いました。

②ファンはある種、Vtuberを「所有」している

「所有」というのは、持ち物という意味ではなく、親心に近い、大切にしているの意味。それゆえにものすごい「投影」が起こる。
とも話していました。

「私は〇〇を推している」という言葉がある。
「これだけ推しのことを知っていて、推しに愛を注いでいる」ことをアピールしているのは「所有」に近い気がする。
バーチャルの世界は特にそれが色濃く出る、とも。

また、「同担拒否」(同じ推しの人が嫌だと思う気持ち)や「解釈違い」(自分の解釈と違う人への拒絶反応)はまさに所有らしい。


この「親の愛」的なもの、確かにあるかもなぁと思いました。
Vtuberに限らず、ミュージシャンやアイドルの世界にあるなと。

根底にあるのは「推しは推せるうちに推せ」とか、推しの生活費にとスパチャするなどの気持ちもあるとは思うのですが、

たとえば、親の愛を満足に得られなかった人が、自分だったらこう愛する、みたいに行動したとして、それをすることで自分の心を満たすし、そうすることで「親に愛された」と間接的に思える。みたいなものもあるかもしれないと思いました。

逆に、毒親化する人がいたり、フェチ的な話を抵抗なく言葉にする人も(Vtuber本人が言ってることもあるけど)、推しを「所有」してるから何いっても大丈夫みたいな心情はあるのかもしれない。

私は一時期、「この人はお兄さんっぽい」とか、「学生時代の友達にいたら」みたいな目でVtuberを追っていたので、そういう距離感で応援していると、時に間違った応援の仕方になってしまうかもしれないと思いました。

ファン側も「自分を持つ」といい関係に…?

本題は「様々な意見に摩耗することなく、自分を持つ方法」でしたが、
Vtuber側にだけ負担をかけるのではなく、ファン側も、自分の気持ちを押し付けすぎない(所有感を減らす)ようにできたら、平和な関係が築けるのかなと思いました。

投影・所有しないようにするって、結構エネルギー使いそうな気がするし
調べてもあんまり解決策が見つからない。

先ほどの益田先生の動画では、このような解決策がありました。
Vtuberを父親のように思っている場合。

例えば父親転移を起こしているときに、「あなたは僕に怒っているのではなく、過去に父親にされたことに怒っているのではないの?」と聞くと、「いやいや、そんなことありません。僕は父親のことを尊敬しています」と言います。ですが、「そんなことないでしょ、尊敬している一方で教育的な虐待を受けてきたり、恥をかかされたという恨みがあるんじゃないの? それを押し殺している結果、自分に自信を持てなくなっているんじゃないの?」ということを伝えることで、自己理解が深まりうつが良くなっていく、ということです。

https://wasedamental.com/youtubemovie/6097/#c01  より

なんでVtuber(推し)にこういうコメントをしてしまったのかを考えるときのヒントになりそうな予感。

まだ考えがまとまりきってない気がするので、もうちょっとキレイに整理できたら再度noteに書きます。
たぶん考えをまとめられないのは、逃避行動(防御反応)なんだろうなぁという気もする。自分ときちんと向き合わなくては。


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