サーカ・Aの「水曜ロードショー」

「あんたはゴリラよ」「踊ろうか？」
　　　　　　　　　　　『三人の妻への手紙』

詩を書き終えて、
自分自身の何かを学び取ったら、
私はテレビ画面の前の「席」を取る。
そこにはゲーリー・クーパーや、
テレサ・ライト、
ジェーン・ワイマンや、
ロック・ハドソンが現れ、
私は目覚めたままで夢を見る。
一度、目にしたら、二度と忘れられないーー
水曜日のロードショー。

絵を描き終えて、
自分自身の何かに呼び出されるまま、
私はテレビ画面の前の「席」を取る。
そこにはジョン・ウェイン演じる、
保安官チャンスと、
彼の道化、ウォルター・ブレナン演じる、
スタンピーとが現れる。
「知性とは彼ら、『道化と英雄』の会話。」
一度、目にしたら、二度と忘れられないーー
水曜日のロードショー。

映画は人類の「経験」の詰まった箱ーーそれは、
恋人、敵、友、全てのものに成り変わりうる。

生活に退屈したら、
『三人の妻への手紙』を観よう。
３人の女優、ジーン・クレインと、
リンダ・ダーネル、
アン・サザーンが、
親友「アディ・ロス」からの手紙を読む。
「今からあなたたちのうちの
誰かの夫と駆け落ちします」ーーと、
映画の冒頭、マンキーウィッツの脚本が、
亡霊のようにささやく。
迷ったときは、「アディ・ロス」と、
水曜日のロードショーに私は戻る。

詩的なものはロケーション（場所の）で語られ、
論理的なものはモーション（移動）で示されるーー

それこそが映画（つまり、「場所の移動」が）、
私はパジャマのままで見入り、
多くの（fuckin’）時間を、（fuckin’）費やした。
私の野心は、ジョージ・スティーブンスの
演出に触れて発生し、
ジョン・フォードの絵に、
アルフレッド・ヒッチコックの目に、
ダグラス・サークのメロドラマに、
マンキーウィッツの『イヴ』に、
ハワード・ホークの女性像に、
そして、
ウィリアム・ワイラーのすべてのシーンに、
最敬礼する。
一度、目にしたら、二度と忘れられないーー
水曜日のロードショー。