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脳裏から離れない



脳裏から離れない。
若い社会人男性が、就活相談をする女子学生に放ったことば
「まぁ、戦争は起こらないだろうし!」


どうしてそう思えるんだろうか。
どうして生きていることに不安を覚えないんだろうか。
いや、これは誤解なのかもしれない、
もしくは、その人はほんとうは不安にまみれていて、
そう口にしないと生きていけなかったのかもしれない。
背筋が凍るような、気持ちになった。


ポジティブに生きよう、そうしないとうまくいかない。
でも、ほんとうにそれで大丈夫なの?
あなたの命は、そんなに軽々しく社会に預けていいものなの?
この、歪んだ今にも落ちてしまいそうな社会に。
漠然と、明日も今日とおなじような日がくる、と
思わされてしまいそうなおかしな社会に。


歴史はくりかえす、といいながら、
愚かな人間が募ったらなんとかなりそうだと
平気で人の命を踏んづけて、それを横目で見るような世界で、
人間の命の数が単なる数字でしかないこの世界で、
そんなに軽々しくあなたの呼吸を任せてもいいのか。



この世界に、新しい命を産み落とすことは、
この社会の条理なのだろうか
赤ちゃんは、生きものは、ほんとうに幸運なのだろうか。
不確定、不安、孤独に埋もれながら、
生きるって何なんだろうな



私が呼吸をやめたとき、それは、
世界が終わるときなのかもしれない、だって
世界があるのって私が生きているから知覚できるものでしょう
だから、私が生きていなければ世界はないの、つまり、
私には死がないの。
だって、死んだことがわからないから
それを知覚する、私が、世界が、ないんだから



産み落とされたつらさのほうが大きいよ、ねぇ
なんのために、こんなにつらいの
なんだってこの世界に命をもつの
なんだってそんなに命が大事なの、それなら
もっと本気で命を守る行動をしないと。



人間はやさしくなんかないよ
人間は自分勝手なんだよ、しってる?
誰かの命を大切にしたいんだってエゴなんだよ
だって、自分が傷つくのが嫌だから
自分が悲しくなるから、命を大事にしたいの。
自分が悲しくなるから、なのに、
誰かをこの世に産み落とそうと思うの。
そこに疑いなく、だってそういうものなんだから
命は祝福されるべきなんだから
(エゴによって)
(エゴによって産み落とされた)
(エゴによって産み落とす)
(エゴによって命をつなぐ)
(エゴによって)
(エゴによって)

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