掴めないアホと4か月付き合った話 #03
#掴めないアホと4か月付き合った話
◇02からの続き
私と彼は4か月だった。終わりはわかりやすかった。優しかった彼がわかりやすく冷たくなったから、自然と別れの準備はできた。
彼は元カノが8人いるので、それぞれのスパンも短かった。最長半年、最短一週間だった。そう考えると4か月、長いほうだった。
私は数多くの元カノの中で一番思い出に残ってほしかった。今までのどの別れの時もそう思ってきた。私は最後までいい女でいたいと思って格好つける。
だから、別れ際サッと引くのがいい女で一番記憶に残るとURLも名前も覚えていないブログで読んだわたしは、
「君にしては、長かったね」
なんて必要のない笑いを取り、泣いている彼の肩をポン、とたたいて帰った。付き合ったのと同じ公園で私たちはさよならした。
さよならの後、家でわんわん泣いて、数か月引きずるくらいなら、彼に直接罵倒する一言でも投げつけておけばすっきりしたのだろうが、私にはそれができなかった。格好つけのプライドが許さなかった。
次の女を確保している噂は信じたくなかったけど本当だったようで、私と別れて一か月後、LINEの画像が隣の隣のクラスの女の子とのツーショットになった。それも本当は別れて一週間で付き合ったらしいが、「あの子が傷つくからLINEの画像を変えるのは一か月後ね」と約束しあったらしい。いらないところでいらない気が遣えるアホとアホのお似合いカップルはその後結局半年で破局した。私よりも長かったのが、なんだか気に食わなかったけど、今は逆に自分がアホになっていた期間がたったの4か月でよかった、と思っている。
私はこの恋で、「いかに依存が恐ろしいか」を学んだ。
たったの4か月で、私は「掴めない彼」以外の趣味をなくしていた。別れた時、自分が今までどのように生きてきていたのか、本当にわからなくなっていた。自分の趣味も投げ出して、掴めない彼に翻弄されていたことに、別れてから気づいた。趣味や自分の時間を取り戻すのにずいぶん時間がかかった。
依存は絶対によくない、と思った私は今後、「依存をしない恋」を追い求めてこじれていく。
彼は、自分がこじらせめんどくさ女を世に生み出したことを知っているんだろうか。
p.s
最近久しぶりに彼と会った。久しぶりの彼は何の魅力もなくなっていて、当時付き合っていた時の愚痴や思っていたことをお酒の力を借りて語り合った。彼は私が覚えていないことを覚えていたし、私は彼が覚えていないことを覚えていた。記憶というものはあいまいだ。彼とはこれで終わりだった。
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