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茉莉花
2022年1月26日 22:21
彼と出会って、彼と過ごして、毎日が光のように過ぎていった。 母の日という大きな繁忙期を越えて、私は疲れやすくなっていた。いつもは一晩寝ればとれた疲れが、慢性的にだるいのだ。それでも学生の時よりかはだいぶ年を取っているわけだし、疲れやすくもなって当然だろう。特に気にもとめないようにして私は過ごしていた。 ある雨の夜、彼はドライブに連れて行ってくれた。 私たちは、未来の話をしていた。
2022年1月19日 22:49
彼は突然現れた。 その日は酷い雨だった。一日中降っていて、どうしようもないザンザン降り。嵐だとニュースでは言っていた。 私は店長から頼まれた注文分のバラが入ったバケツを車から出して、それを店内に運んでいた。極力濡らさないように急いで店に入ろうとすると、傘を持って外にたたずむ男性が私をじっと見ていた。「いらっしゃいませ」 誰なのかわからないしこんな雨の中わざわざ、と私はいぶかしげに