マガジンのカバー画像

追悼

4
追悼記事のまとめです
運営しているクリエイター

記事一覧

苦の娑婆を生きる

母は宗教にどっぷり浸かっていた人であった 本当に毎日宗教団体に出掛けていたから、たまに家に居るとこちらがびっくりするような状況だった とても寂しかったし困った事も多かった幼少期を過ごしたけれど、それなりに成長すると親が居ない自由な環境は楽だったし、いい部分もあった 今みたいにコンビニが近くには無いから、空腹になったら作るしかない 洗濯や掃除も自分でやらなきゃ困るのは自分だ だから家事一通りはやってきた 自己流で雑で勘違いも多いし、凡そ可愛くお料理が趣味♡な感覚には

2人の経営者へ捧ぐ②

夫よ 繊細でお育ちが良く、ナルシストなあなた 100人いた新入社員の研修で、割り振られたチームの担当のあなたと新入の私との出会いが、私たちの運命的な出会いなんて、その時は思いもしなかったね 生意気な私に手こずったあなたと、その業界にいる男性に対して偏見を持っていた私が、お互い良い印象がある訳じゃ無かったのにね 部署違いで社内では殆ど会う事も無かったのに、3年後に付き合う事になるなんて、周りも自分たちでさえ誰も思わないよね 再会してあなたが独立している事を知って驚いた

2人の経営者へ捧ぐ①

父よ 誠実で忍耐強く、優しく強く、人格者だったあなた 娘である私を愛し守ってくれたあなた 神童と呼ばれ弁護士になりたかったあなたが、発展家の祖父の商売の失敗から、長男であるが故に志しを断念して勤め人になり 弟たちと親を支援し続けたあなた 自分でも行けたであろう東大に行った叔父が尊敬するあんちゃん 実の母親が耐えきれず出ていった時、自分だって7歳の子どもだったのに、それからずっと長男として覚悟して生きてきたのは辛かったよね 16歳で終戦を迎えたあなたが、当時は戦争

追悼

瀬戸内寂聴さんが亡くなった 私がままならない現実と女である自分の魂の叫びに苦しんでいた時に、救われた1人 ドロドロとした女の情念を激しくも真っ直ぐに表現した著書に自分を重ねて もがき苦しむ自分を認め肯定させてくれた 女が哀しく怖い存在だと、受け入れさせてくれた 一冊の著書は、「まさに私そのもの」と思え そしてある実在の女性についての著書は、奇抜とも言えるその女性に魅了された 出家された事も、シンパシーを感じる 私の母はある宗教団体に属していた 母にとって戦争