見出し画像

「アニメ主題歌」と「私たちの曲」の二面性を持つ曲、KICK BACK

今、話題のアニメ「チェンソーマン」。
原作はあまり知らないものの、大好きなMAPPA制作、OPは何と米津さんと常田さんのタッグということで、何となく見だした。

まーこの曲が、歌詞の世界と相まって最高映像作品!
なのだけど、アニメのみ視聴した時と米津さんのPV見た時の印象が違い、2度美味しい思いをしてしまった。
今回はこの「KICK BACK」について語りたい!

アニメ2話まで見た時点でのOPの印象

正直2話まで見なくても、1話見ただけでクる米津さんの歌詞の意味。
主人公、デンジの単純で率直な願いが込められたかのような「幸せになりたい、楽して生きてたい、あなたの胸の中」という歌詞。
これ、凄くない?歌詞って意味深で色々考察しちゃうものだけど1発でこのチェンソーマンの主人公のこと歌ってる!って感じる歌詞力。
メッセージ性ってカッコイイ言葉だけじゃなくて、こういう素直なものが強烈に残るものなんだな〜と感じた。
多分物語が進むにつれてもっともっと歌詞が刺さったり深く感じたりすることはあるかもしれない。

でも、現時点では私は「デンジの曲」という印象を受けた。

あと、まだ私は「努力 未来 A beautiful star」の意味を砕いてはいない。
噂でだが、この物語は地獄のような展開と聞くので「努力と未来報われるっ素敵!キラキラ」って感じではなさそうだけれど……。かけ離れたワードのような気がするが、これは物語が進むにつれてニヤリなのかゴクリなのかはわからない。楽しみにしていようと思う。

米津さんのPVを見た感想

見た人はわかると思うが、めちゃくちゃ「努力  未来 A beautiful star」を体現しようとしている米津さんがいる。
筋トレは本当に単純なものの積み重ねではあるが、努力が未来へと繋がる、ある意味単純明快なものの1つだ。
デンジも苦労はしてたし、これからも努力するのかもしれないから何とも言えないけれど、めちゃくちゃ米津さん、努力してる……!!
これは、歌詞の意味を分かりやすく体現している……!!

と、思ったらイケメン常田さん登場。

汗ひとつ流さず軽々とバーベルを持ち上げる。
それに慄く米津さん。
常田さんのように?又は越そうとせんとトレーニングを更に積む米津さん。
バーベルなんて持ち上げられるくらい、いやそれ以上の成果を得て筋肉ムキムキになって登場……!!サンドバッグなんて吹き飛ばすぜ……!!

……のはずだが、それに興味も示さない常田さんは、今度はランニングをする……

ここ辺りから、歌詞の意味がちょっと違って見えてくる。
誰だって楽して生きていきたいし、幸せになりたい。根本にある欲求と言っても過言ではない。

先程言ったようにOPでは「デンジの素直な欲求」を書いてるように思えたが、PVではそれは「人間としての素直な欲求」だと感じた。
「デンジの曲」から「私たちの曲」に急に視点が変わった。

世界は多面的だ。自分の世界も視点を変えれば別物。誰もが羨む米津さん程の才能。でも米津さんにとっては上には上がいるというか、もっともっと鍛えなければ(PVでは筋肉で表されている?)、努力して追いつかなければと思っているようだ。

つら……つら……
知らず知らずに誰かと比べて、その人に追いついたと思ったら、また追いかけて……
こんなこと、日常にも潜んでいるじゃないのよ。

PVは1回米津さんは努力を止めて、ある意味今までの自分のやり方を捨て去る(=死)んだけれど、それでゴールした先に待ってるものは……

最後の演出に、ゾクッとした。

やり方を変え、自分を変え、やっと対等になったと常田さんに話しかけると、防犯カメラには何も写っていない……

怖、怖ーーーーーー!!

いや、これ歌詞の中にある「なんか凄い良い感じ」になったのに、先が、まだ先があるんか……
「なんか忘れちゃってんだ」で、自分らしさを忘れた米津さんが「良い感じ」とちょっと努力報われたかなーとか、自分のやり方見つけたかなーと思ったら、常田さんという幻想を追いかけてたの、怖すぎじゃない?
でもさ、これやっぱり「日常に潜む自尊心と平穏と他人と比べちゃう私たちの曲」なんだよ。

もちろん、映像作品としてどちらも素敵なんだけれど、映像でこんなにも印象が違って受け取れてしまうのか!という驚き。

そして歌詞の意味が、アニメの主題歌としても楽しめるし、私たちの歌としても深く突き刺さるものがある。
やっぱり米津さん天才……
編曲一緒にした常田さんも天才……

ありがとうございます。
こんな素敵な曲を……。

2度楽しめると思うので、まだ聞いてない方、片方しか見てない方はぜひ!ぜひ両方見てください!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?