見出し画像

スタートライン

こんにちは!デンマークに留学中のきりです。

日本人補習校を訪問した際、運営を行う保護者の方とお話をする機会をいただきました。

デンマークで子育てをしているみなさん。日本で育ち、日本の教育や生活を知り、さらにデンマークに長期で住んでいる方々とお話できるという大変貴重な機会でした。

今回は、そのときにきりが聞いたこと、感じたことをそのままにシェアしたいと思います。

キャリア観のお話

日本では、小中高と進学し、そこから就職・専門学校・大学へと進むのが一般的。

それに対して、デンマークは、中学校を卒業してそのまま高校に進学する人もいれば、エフタスコーレという全寮制の学校に通いながらギャップイヤーをとる人、職業学校に通う人というように早い段階で選択肢が多くあります。
高校卒業後など、17歳以上になるとフォルケホイスコーレという全寮制の学校に通う人も多くおり、大学に入学するときには年齢がばらばらとなっていることが良くあります。(詳しくは、デンマークの学校制度についても今後投稿したいと思います。)

日本では、大学受験制度のため、高校卒業後にギャップイヤーをとる人はほとんどいません。

学年が遅れる場合は、浪人することを決めた人くらい。
学年が遅れることが嫌で、何校も併願をしたり、二次選抜がある学校を再受験したりということをしてまで、周りに合わせようとしている人も。

大学生で休学をするという選択はまだまだマイナーで、大きな決断。

だからこそ、ギャップイヤーをとることに違和感を持たれることもあります。

休学やギャップイヤーは空白の期間。
就職活動での、この期間は何をしていたのですかの質問はあるある。
ギャップイヤーに何をしてもよいはずなのに、就職を意識して、この期間に何かしなくては。何かを残さなくてはとプレッシャーを感じる人もいる。

デンマークでは、日本よりも、学年が遅れることやギャップイヤーをとることに違和感を持たれない国です。

では、デンマークのように個人の意思でバラバラに進路を決めることが出来る方が良いのでしょうか。

デンマークでは、先述したように個人で自身の進路を決めることができます。
学費も無料で、経済面をほとんど意識せず、進学先を選ぶこともできます。

でも、

社会に遅くでるということは、
国の視点からみると、税金を納めるのが遅いということ。

学び続けたことで年齢を重ねすぎると就職するのが厳しくなるという事例もあるそうです。

アカデミックに学校で研究し続けることはもちろんできる。
でも、無料で税金を頂いて学び続ける人と、
   働いて、税金を納める人

いつまでも学生として学び続けることと、国民として税を納めることのどちらも考えて、自分で社会に出るラインを決めなければなりません。

働きながら学ぶことは、会社へのメリットも学びたい人のメリットも両者にメリットがあり、推奨してくれる会社も多いそう。一度就職してから学ぶ、という選択肢も踏まえてラインを考えていきます。

日本のように一斉採用ではなく、親や知り合いの会社に入社をする。
特に知り合いにいない場合には、インターンやボランティアでの経験を積み、人脈を広げ入社をします。

それに対して、
日本はラインがひかれた世界。

大学を卒業したら新卒採用という枠があり、平等に就職先を得るチャンスが与えられます。
みんなで一斉にスタートし、一斉に会社が人材を育てる。

自分でラインを決めなければというプレッシャーや、人脈を広げることに注力する必要はありません。
働きながら、自分の進路を考える。荒波にもまれながらも、平等に働き、考える機会を得るのが日本のスタイルなのかも。

日本のラインがひかれた社会は、良い面も悪い面もどちらもあると思います。
でも、それはどこの国でもいえること。一見よく見えるような社会でも、実際に生活している人のお話を聞くと、苦労をしいられる場面も見えてきました。

それぞれの社会の良さ・難しさを客観的に受け入れ、自分がしたい選択を考えていくことが重要なのではないかと思います。
そのために、せめて少しでも、もう少し日本でギャップイヤーをとることが認められるようになったらいいな。。

きり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?