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デンマークのペタゴーって何?

こんにちは!デンマークに留学中のきりです!

今回は、ペタゴーについて紹介したいと思います!

ペタゴーとは?

日本語で生活指導員などと訳されます。
デンマークの就学前教育期間や0学年で主に指導を行います。

ペタゴーの専門、役割は、
・生活指導(スポーツ・工芸・手芸など)や放課後の余暇指導を行う。
・子ども達が国民学校をイメージできるようにする。
国民学校との連携・引継ぎ
子どもの感性を豊かにする
ソーシャルスキル(対話、子ども同士の関係性など)に関する専門性を持つ
ことなどがあげられます!

国民学校との連携・引継ぎについて
引継ぎの際には、子ども達一人ひとりのデータファイルを作成します。
内容は、子どもの基本的なデータや得意なこと、仲の良い友達、家族の絵や好きな食べ物など。保護者と協議して作成されるそうです。
ペタゴーは、就学前教育機関と国民学校、学童保育の教職員の連携の要ということが出来ます。

子どもの感性を豊かに
ペタゴーになるための授業に、「健康・身体と運動」(遊び、運動、ダンスと体育など)、「表現、音楽とドラマ」、「野外教育・工芸・自然と技術」などの授業があります。
ドラマは自己表現の一つ。想像力、創造性と柔軟な考え方の発達、焦点化と集中力の発達が目的です。また、野外教育の授業では、第三者への自己表現・活動する喜び、自己開発欲を向上させることが目的となっています。
子どもたちの感性を豊かにするために、ペタゴーの感性・感覚的・美的・芸術的観点の育成が必要とされています。

ペタゴーの一日に密着!

ペタゴーとして国民学校(小中学校)で働かれている方に一日一緒に活動させてもらいました。
 小学校見学をして感じたこと等は次回の投稿で紹介します。

スケジュール
6時      出勤 
6:00-7:45    朝学童
8:00-14:00 授業
14時             退勤

朝学童

デンマークには朝学童というものが存在します。
朝学童には、両親が共働きで朝早く出勤する家庭の子どもなどが多く来ており、朝ごはんを食べることが可能です。

朝学童で指導を行うのはペタゴー。子ども達は自由にお絵かきや運動、レゴなどをして遊んでいましたが、ペタゴーは子ども達が自由に遊べるように必要なものを用意したり、子どもたちに声をかけて様子を確認したりしていました。

ペタゴー中心に何かをするというのではなく、あくまでも子ども達が自由に遊んでおり、ペタゴーはそのサポートをしていました。
ペタゴーの方が朝学童を担当し、そのままクラスに行く。ということで、学童と学校の連携をとりやすいように感じました。

授業

授業が始まると、ペタゴーは支援が必要な子のサポートや教師のアシスタントをしています。
1クラス20人ほどに対して、教科を教える先生一人、ペタゴー一人の計2名で指導が行われており、子ども達への支援が厚いように感じました!

支援が必要な児童への支援
教科の内容は理解できるものの、集中する事が苦手で、情緒の浮き沈みが激しい子がクラスにいました。算数の時間、その児童が集中できなくなっている様子の児童。その児童がボールを持ってくると、ペタゴーの方が「〇分キャッチボールしようか」と児童をさそい、外に連れてキャッチボールをしていました。
その児童は、外から帰ってくるとまた算数の問題を解き、クラスに復帰することができていました。

その児童にとっても、にとってもメリットがある対応のように感じ、個別のサポートができるのはペタゴーがいる良さなのだと感じました。

私がお世話になった方は、スクールペタゴー。
ペタゴーにはいくつか種類があり、なかでもスクールペタゴーは、体育や音楽、芸術等の科目を他の教師と同じように教えることが出来ます。


まとめ

教師、子どもそれぞれから見て、ペタゴーって?
教師…20人という人数を1人で見て対応するのはかなり厳しい。ペタゴーがいることで、役割分担をすることができ、子どもにより個別で対応できる。
支援が必要な子への適切な支援が可能。
学童との連携ができ、授業以外の時間の様子を知ることができる。
子ども…見てもらえる安心感。

ペタゴーの課題
デンマークの教師もひっ迫しているそう。
ICTが普及しているデンマークでは、ICTにより家庭でのコミュニケーションが減ったり、学校任せの親が増えてきたことにより、必要以上に学校職員の負担が増えてきているそうです。

ペタゴーというシステムは日本にはありませんが、教員の負担が問題視されている日本こそ必要なのではないかと感じました。教師と2人で支援ができる、学童との連携が可能というとても素敵な仕事でした。



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