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NHKの番組であなたのnoteを紹介させてほしい

という連絡が来た。びっくりした。いや、本当に、他に言葉が思いつかないくらいびっくりした。びっくりしすぎて震えた。

だって全然バズってもない文章だったし、アクセス数も見てみたら66しかなくて、その中にNHKの人がいるなんて思わないし、私のnoteで良いのかと心配になった。

でも番組の主旨を聞いて、実は気になっていた番組だったので、ぜひにとお受けした。「#8月31日の夜に」という番組で、「生きるのがつらい」「学校に行きたくない」と思う10代の人たちに向けた内容だった。

https://www.nhk.or.jp/heart-net/831yoru/index.html

私もまさにそういう10代を送ってきたから、誰かにちょっとだけでも届いたらという気持ちで「ぜひ」という返事を送った。


放送は日をまたぐ夜で、次の日が仕事ということもあって、リアルタイムはすっかり眠っていた。翌日も私に対して何か反応があったわけではなかったので、紹介されなかったのかもしれないなと思っていた。

少し残念だったけれど、それでも気になる番組だったから、公式サイトの見逃し配信で最初から見た。

まず、出演者の方が本当に優しかった。ヒャダインさんも、生駒里奈さんも、山戸結希さんも、戦慄かなのさんも、中川翔子さんも、石井志昂さんも。

つらい思いをしてきた人たちだからこそ、自分の過去を思い出して、今苦しんでいる人の話を聞いて、感情があふれ出してしまう人もいて。心の底から心配してくれて。みんなで包み込んでくれるような優しさがあって、その雰囲気だけでも救われる人がいるんじゃないかと希望を持ちたくなるほどに。


そして10代の悩みに、胸がすごく痛んだ。大人だっていろんなことに傷つくけど、まだ成長している途中で受けた傷って本当にものすごく痛くて重たくて、本当にしんどいよなって。苦しみのまっただ中は、本当につらい。


秋田ひろむさんが歌った、「僕が死のうと思ったのは」も強く印象に残った。amazarashiというロックバンドのボーカルを務める方で、番組のナレーションも担当されていた。中島美嘉さんに提供した曲でもあるようで。

過去に苦しんでいたり、今苦しんでいる真っ最中の人にとって、心を揺さぶられる歌だったんじゃないかなと。

そしてこの歌には時間の経過があって、かつての自分を想像する人と、今そこにいる状況と、いつかそうなってほしいという未来も描かれている、と私は受け止めている。聞く時が違っていても、自分の置き場所がどこかにあるという歌なんだなというのが素晴らしくて。

そして、この歌に共感できる自分がいることが、すごく幸せだなと思った。しんどかったけど、しんどいかったからわかる。しんどいからわかる。それはすごく幸せなことだなって、うれしくなった。


番組の終わり頃、かつて苦しんでいた10代の言葉も紹介されていた。うんうんと聞きながら、「aoikara」という名前が出てきてびっくりした。えっ。私じゃん。わっ、本当に紹介されたのか…えっ。マジか。って一人で挙動不審になってた。

いろんな人が思いを綴った文章を出演者の方が読んでくださるのだけど、私の文章を読むのはどうやら生駒里奈さんらしかった。私は乃木坂が好きで、もう卒業したけれど「生駒ちゃん」と呼ぶくらい、生駒さんが好きで。

あの大好きな生駒ちゃんが私の文章を読むってわかった瞬間、胸がいっぱいになってちょっと一時停止ボタンを押した。これは現実なのかな。えぇ…。うわぁ…。マジか…。て受け止めるまで時間がかかって、30分くらい見られなかった。

30分後、「よし」と意を決して、やっと再生ボタンを押した。

このnoteの一部を抜粋して紹介された。あの生駒ちゃんが読んでくれてる。わぁ…。生駒ちゃんだよ…すごい…。不思議な感覚だった。

自分の文章だけど「何が言いたいかわかりづらいな。もっとこう書けば良かった」って反省したし、「読みづらいよな、生駒ちゃんごめんなさい」って思ったし、つたない文章で届けたい人にうまく届かなかったかも。

ライターなのに恥ずかしい。今苦しんでいる人にとっては、とても空虚な言葉なんじゃないかなという不安もあった。逆に届くって考えることがもうおこがましいのかもしれないな。でも、良かった。


最後に、ヒャダインさんがおっしゃっていたことが印象的だった。「“自分たちは才能があるから芸能界にいる、何か持ってるから輝けたんじゃない?”“何もない人はどうしたらいいの?”って思う人もいるかもしれない」と。

そう思う人もいるだろうなと私も思った。そんなことないよ。私には何もないもんとも思った。運が良かっただけだと。そしたらヒャダインさんも「運が良かった」とご自身のことをおっしゃってた。そして、こう続けた。「何もないことはないと思う。何かある」そう、強く言った。

ああ、そうかって。そうなんだよね。何もないことない。誰もがみんな何か持ってる。たしかにそうだって。表に出ている人たちはそれがわかりやすい形なだけで、全員絶対に何かを持ってる。すごく心に残った言葉だった。


とまあ、長くなったけれど、とても良い番組だった。これだけで全てが変わる、なんてことはないかもしれない。苦しい夜がこれから何度でも訪れるかもしれない。劇的に人生が変わるなんて、そうない。

でもちょっとでも居場所になれば。ちょっとでも救いになれば。一人じゃないよって。大丈夫だよ。そばにいるよ。「生きていてくれてありがとう」ってあなたのことを心から喜んでくれる人は、本当にたくさんいるんだって、心の片隅にでも置いてくれたらいいなと思った。

素晴らしい番組でした。その番組に、ほんの少し携われて幸せでした。

そして、「#8月31日の夜に」とSNSを見てみると、今現在でも苦しんでいる人がたくさんいるんだなと知ることができた。10代だけじゃない、大人だって子どもだって、いっぱい苦しんでる。

誰かが苦しんでいる夜をちょっとだけでも救える、ほんの少しでも居心地の良い場所になれる、そういうものができたらな。そして自分が携わったり、作ったりできたらな、と強く思う。

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