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断るならジャブよりもストレートで

断るのが苦手な、フリーライターのaoikaraです。

たとえば仕事の依頼や営業、人からの誘い、恋愛での告白とか、断らざるをえない場面はいろいろある。

断るって、いわば自分にとっては拒否で、相手にとっては否定になってしまうから、どう頑張っても良い状況にはならない。

断る側だって、相手を否定したいわけじゃない。ただ私には合わなかった。タイミングが悪かった。フィーリングが違った。相手そのものではなくて、その項目は私と異なっていた。それを伝えるには「NO」と言うしかない。

でも、断られる側としたら、思いがあるわけで、頑張ってきた努力もある。自分を全否定されたわけじゃない、ただ限られたものに対して「NO」と言われて断られただけだ、と頭ではわかっていても、その限られたものも自分の一部には間違いない。

断られたから、自分そのものや自分の全てを否定された、と感じてしまうのも仕方ないと思う。


だから、断るのは本当に気を遣う。相手を否定しているわけじゃないよ、と言葉を選んで、慎重に、ていねいに伝えようとする。結果、やんわりふんわりとした断り方になる。

やんわりふんわりとした言い方だと、粘られる。「NO」と伝えているはずなのに、言葉がやわらかいせいか、「そんなに嫌じゃないんだろう」と受け取られるのだろうか。さらにさらにやんわりふんわり断ってみても、納豆レベルで粘る相手もいる。

で、粘られると、もう断るのがしんどくなってきちゃって、最終的に「YES」と言っちゃうこともある。自分がこわい。

でも、結局後悔する。自分なりには「NO」と断ったつもりでも、粘られて粘られて仕方なく「YES」と言ってしまったけど、一人になったらすぐに「やっぱり嫌だ」と思って、改めて今度はブレずに「NO」と言う。

あるいは、最終的に「YES」なら最初から「YES!!!」ってむしろそっちから求めてきただろうくらいの勢いで来られて、後ずさりしちゃって、それでもそれなりに時間が経ってから「やっぱり嫌だ」と気づいて、改めて「NO」と言い直す。


断ってもぐいぐい来るのはなんなんだろう。「押したら行ける」と思われてるんだろうか。まあ実際そうだったんだろうな。

弁明させていただくと、ヒップがライトな話ではないよ。能動的にヒップがライトを楽しんでいる人も否定しないよ。

「押したら行ける」を実践されてわかったのは、「押さなくても行きたい」「自分からつかみとってやる」くらいの高揚感がないと、たぶん私は「YES」じゃない。

受け入れてしまうのも、「もう絶対にNO!」という強い拒絶ではなく、「なんとなくNOかな…」という軽い躊躇であって、しかも断るのが苦手だから。押されまくって、断るの面倒さに「考えてみようか」となってしまう。

でも、やっぱり違うってわかる。軽くても躊躇するのは心の中に「NO」があるから。自分でも直感的に「違う」ってわかってるんだよね。経験からようやくわかった。

それでも、なかなか断れない。


やんわりふんわり「NO」と断るジャブだとしても、何度も打っているから、私としてはもう十分過ぎるくらい断っている感覚。

でも、相手からすると一度の「NO」のジャブはくすぐられている程度で、何度くすぐられたって、ちょっとふふっとなるだけ。どっちつかずな態度なだけ。

で、もう一度押してみたら「YES」になるんだから、そりゃあ私は「NO」じゃなく最初から「YES」だったんだと思われるよな。「押せよってことでしょ?」みたいに。

いやー違うんだよ。ストレートに打つのが苦手なだけ。相手をきっぱり否定できるほど、私もできた人間じゃないからなんだよ。あなたへの気遣いもあるけど、私自身への気遣いもあるから、優しさもあるけど100%の優しさとは受け止めないで。


でも、逆の立場だったら「きっぱりすっぱり断ってくれよ」って思っちゃう。だってやんわりふんわり言われてもわかんないもん。

だから、相手のためにも、ストレートに「NO」って言った方がいい。たぶん、そっちの方が相手への優しさのパーセンテージの割合は多い。

だからって、相手が倒れているのにまだ打ち込む必要はなくて。たとえば相手の人格を否定したり、「こんなこと言われたの」と誰かに陰口を言ったり、ガンガンに打ち込んじゃうのはストレートじゃないもんね。

確実に相手に効かせるストレートを見事に打ち込むには、ブレない体の軸が必要で。つまりは自分の芯。自分自身。自信。

自分の芯があって、自分自身を大切にしていて、自信があれば、「私はこう思うから」と自分の意思をきちんと伝えて、「ごめんなさい」と強い意志で断れる。

断れないのは自分にも本当によくないと思うので、きれいなストレートを打ち込むための特訓を始めようかな。

2021年3月28日(日)

No.826

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